Project/Area Number |
15036234
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 勇人 京都大学, 化学研究所, 助手 (20346050)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ポリシラン / オリゴシラン / σ共役 / 立体配座 / ポルフィリン / フラーレン / 電子移動 |
Research Abstract |
我々はこれまでにオリゴシラン鎖における立体配座を合成的に制御することで、UV吸収や発光といった基礎的な光物性と立体配座との関係に関する系統的な知見を集積してきた。今回、ドナー部位とアクセプター部位を分子内に有するオリゴシランにおいて、鎖長や立体配座と、光励起による電子移動の速度および電荷分離状態の寿命との関係について研究すべく、その合成について検討をおこなった。ドナーとしては亜鉛ポルフィリン、アクセプターとしてはフラーレンを用いた。 まず、meso-ブロモ亜鉛ポルフィリンに対して1,2-ジアルキニルジシランから調製した亜鉛試薬過剰量をパラジウム触媒存在下で作用させ、ジアルキニルジシラン鎖の片方に亜鉛ポルフィリン環を導入した分子を合成した。次に、p-ヨードベンズアルデヒドを用いた薗頭カップリングによりジアルキニルジシラン鎖の他端にホルミルフェニル基を導入後、Prato反応によりフラーレンC_<60>を導入し、目的とするオリゴシラン鎖の両端にドナーとアクセプターを有するポルフィリン-オリゴシラン-フラーレン・ハイブリッド分子の合成に成功した。 次に、合成したハイブリッド分子の吸収・発光などの基礎的な光物性について検討した。ハイブリッド分子のUV吸収スペクトルの形は、亜鉛ポルフィリンとフラーレンの吸収スペクトルを単純に重ね合わせたものであった。これは、予想通り、基底状態においてこれらの間に相互作用が存在しないことを示唆するものである。発光スペクトルを測定したところ、亜鉛ポルフィリン由来の発光が著しく消光されていることが明らかとなった。これは、亜鉛ポルフィリンの励起状態から他への電子移動もしくはエネルギー移動が確かに起こっていることを示すものである。電荷分離状態については引き続き検討をおこなっている次第である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)