Project/Area Number |
15036241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神戸 宣明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60144432)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ビスアリル錯体 / ハロゲン化アルキル / ジエン / クロスカップリング / Ni錯体 / クロロシラン / アルキルトシラート / フッ化アルキル |
Research Abstract |
ゼロ価NiやPdは、1,3-ブタジエンと穏和な条件下で容易に反応し、中性のビスアリル錯体を与える。このビスアリル錯体は、ブタジエンの2量化や3量化反応の中間活性種として古くから知られているが、本研究ではこのビスアリル錯体を新しい型の触媒活性種としてとらえ、有機ハロゲン化物や種々の有機典型金属化合物との反応を検討したところ、ハロゲン化アルキルをアルキル化剤とする新しいクロスカップリング反応が効率よく進行することを見出した。また、ハロゲン化アルキルの代わりにクロロシランを用いることにより、ブタジエンの2量化を伴うアリルシランの新しい合成反応を開発することに成功した。これらの反応は、(1)中性のビスアリル錯体が有機典型金属試剤と反応することにより求核性の高いビスアリル型アート錯体を生成し、(2)これがアルキルハライドやクロロシランに対して高い反応性を有していることにより、効率よく進行すると考えられる。この過程では、アリル配位子がハプト-3型からハプト-1型へ変換されており、これがこの反応の大きな特徴である。本反応は、グリニヤール試薬や有機亜鉛試薬を利用することにより穏和な条件下で進行する。アルキル化剤としては、ハロゲン化アルキルの化わりにアルキルトシラートを用いることも可能である。また、Cu触媒を用いた場合には、通常不活性と考えられるフッ化アルキルを用いても、クロスカップリングが効率よく進行することを明らかにした。今後、これらの反応機構を解明することにより、ビスアリル型配位子を有する新しい触媒活性種の創成と合成化学的応用が大きく進展すると期待される。
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