Pax5欠損プロB細胞を用いた造血幹細胞の多分化能維持機構の解析
Project/Area Number |
15039224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 春巳 山口大学, 医学部, 助教授 (70235985)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 幹細胞 / プロB細胞 / LIF / T細胞 / 分化 / 胸腺 / 造血細胞 / シグナル伝達 / サイトカイン / 転写因子 |
Research Abstract |
B細胞分化におけるマスター転写因子であるPax5は、B細胞への分化に必須な様々な分子の転写を促進するのみならず、B系列以外のさまざまな系列の細胞への分化に必要な分子の転写を積極的に抑制している。このPax5遺伝子を欠損したプロB細胞は、プロB細胞としての性質を持ちながらもT細胞をはじめとするB細胞以外のほぼ全ての系列の血液細胞へと分化する能力を持っていることが報告されている。しかしながら、この細胞を1ヶ月程度in vitroで培養したところ、多分化能を失いT細胞への分化能が完全に失われてしまうことが明らかとなった。我々はこの長期のin vitro培養中にT細胞への分化能力を維持させる作用を持つサイトカインを探索する目的で、培養後のT細胞の再構成を指標として各種サイトカインのスクリーニングを行った。その結果、培養液中にLIFを添加した場合にのみ、in vitroでの長期培養後もT細胞への分化能力が高く維持されていることを見いだした。一旦分化能力を失ったプロB細胞に再度LIFを作用させてもT細胞への分化能は回復しなかったことから、LIFは直接T細胞系列への分化を促進するというよりは、未分化細胞におけるT系列への分化能力を維持させる作用があるものと考えられた。LIF添加培養によってプロB細胞中でGATA3遺伝子の発現上昇がみられた。さらに、マウス骨髄中の造血幹細胞をLIFと共に6日間in vitroで培養すると、胸腺細胞への分化が増強していることを見いだした。これらの結果から、LIFは未分化な造血幹細胞において、T細胞系列への分化能を維持あるいは促進する作用を持つことが示された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)