中世土器・陶器における生産技術及び編年に関する全国的研究と流通様相の年代的解明
Project/Area Number |
15068207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
柴垣 勇夫 静岡大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (80303543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 良祐 愛知学院大学, 文学部, 教授 (10387566)
阿部 耕也 静岡大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30212541)
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Project Period (FY) |
2003 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 中世考古学 / 中世土器・陶器 / 中世窯業 / 土器・陶磁器編年 / 土器・陶器の流通 / 流通拠点遺跡 / 港湾遺跡 / 土器・陶器編年 / 生産と流通 / 技術交流 / 編年・流通史 |
Research Abstract |
平成15年度から開始した本計画研究班は、3ヶ年を編年研究にあて、後半の2年を流通構造の解明というテーマに主力をおく研究計画のもとに進めてきたが、本年度は、4年目へ入り土器・陶器の流通がいかに行われてきたかを全国視野で検討する段階へきた。 すでに平成17年度後半において、他の分野の考古学研究者や歴史学分野の研究者との合同研究会をもち、その接点をもとめる検討を進めてきたが、本年度はこれをさらに進めるべく各地で研究会を実施した。一つは瀬戸内をめぐる物資の交易状況なかでの土器・陶磁器の流通を探る研究会で、岡山地区での「中世瀬戸内の流通-岡山・香川を中心にして-」の研究会であり、もう一つは、名古屋地区での、全国流通を示す古瀬戸製品や常滑製品を中心とした出土地点の陶磁器内容の検討とその中での東海地域の広域流通製品である古瀬戸や常滑などの出土割合の検討を行った「陶磁器の流通を探る」研究会であった。 前者では、岡山・香川における流通拠点の土器出土傾向を明らかにし、瓦器椀や陶器の出土量のありかたに流通の拠点との関係を考察出来る点を議論した。特に岡山では、鹿田遺跡や川入遺跡などの例にみられるように、古代と中世の土器・陶磁器構成の変化が古代の官衛や定期市が、中世には流通拠点としての機能をみせるほか、中世商業都市的な機能を備えるようなものに変化していることを考えさせる兆候をみせ、そのことが、土器・陶磁器の出土量や地域別生産地製品違いとなって現れてくるものと判断された。従って、時期別に生産地ごとの出土量の検討をすることが、流通背景を考察する意味を持っているということが判明してきた。また、高松城跡では、城下町の形成される以前に、港湾遺跡としての性格をもつものがあったことが、年代別の出土品の量と生産地別の検討によって明らかにされた。 後者では、広域に流通する陶器にも時期による変化があり、太平洋岸と日本海側とでも違いがあることが解った。そのことは産地ごとに流通経路に違いがあり、商業的な都市や港湾の立地とも関係を持ちながら古代的な特殊品が流通する傾向から、一般飲食器や貯蔵具の流通への変化をみせていると解釈された。これらの出土品の量や産地別の数量把握から導き出される傾向にあることが示された。こうした結果をもとに、今後の研究方向を一定の測定基準のもと、主要な遺跡ごとの時代別、産地別の出土品分析を行えば、流通過程を考古学から検証できるものと考えられた。 このような本年度の成果をもとに、最終年度には東西の流通の違いなどを検証し、中世における土器・陶磁器の流通構造の解明のための糸口をみつける研究会を主宰し、その集約をする予定である。なお、17年度実施の全国シンポジウム『中世窯業の諸相〜生産技術の展開と編年〜』に未掲載の窯業生産地及び主要消費遺跡での土器編年を全国23名の方にお願いし、補遺物として今年度に刊行したほか、他の計画研究班との合同研究会も実施した。
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Report
(4 results)
Research Products
(18 results)