イギリス・ルネサンス劇の演技空間:「舞台上」と「舞台裏」
Project/Area Number |
15520140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市川 真理子 東北大, 国際文化研究科, 教授 (80142785)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 舞台 / 舞台上 / 舞台裏 / テクスト / ト書き |
Research Abstract |
本研究は、イギリス・ルネサンス劇のオリジナル・テクスト(初期版本やマニュスクリプト)の分析を通して、シェイクスピア時代の「演技空間」の概念およびその使用方法を考察するものである。まず、演技の場所を指示する最も基本的なト書きである'within'と'above'の意味を再考することから始めた。「舞台裏」を意味するとされる'within'は、楽屋の内部を指示するばかりではなく、上部のバルコニーをも指示する可能性があるということ示す例を発見していたからである。ブリティッシュ・ライブラリー所蔵の劇テクストを調査をした際、'above within','above behind the curtain'というような形のト書きをさらに数例発見することができた。'within'と'above'というト書きが時として全く同じ場所を指示することがあり得るということを示す貴重な例である。また、舞台上で登場人物が死んだ際、その死体がいかに舞台裏に運ばれるか、という問題も「演技空間」の概念およびその使用方法に関連する重要な問題であると認識し、ト書きの問題と並行して考察を進めた。この問題に関しても、舞台上と舞台裏の境界線である舞台正面壁の中央開口部や上部のバルコニー等を巧みに利用しているシーンを集めることができた。こうした調査研究の成果を反映する論考として下の2点を完成し投稿した。 1.'Maluolio within : Acting on the Threshold between Onstage and Offstage Spaces',Medieval and Renaissance Drama in England, vol.18 (2005) [forthcoming]. 2.'What to do with a Corpse?:Physical Reality and the Fictional World' [submitted for publication].
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)