水素原子トンネル反応を利用するシリコン薄膜の極低温精密合成
Project/Area Number |
15550163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
塩谷 優 広島大, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80002137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒口 健治 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291483)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 水素原子 / ボトルネック型放電管 / 極低温 / in-situ ESR / 反応中間ラジカル種 / 原子トンネル反応 / シラン |
Research Abstract |
本年度は初年度であり、in-situ ESR観測用アモルファススシリコン(a-Si)合成装置の設計と製作、装置の試運転と反応中間種の観測に最適な実験条件の探索を行った。 (1)水素(^1H)原子発生用ボトルネック型放電管の設計と製作 ボトルネック型放電管は、平岡(山梨大工)らにより極低温赤外(IR)分光用に開発されたものを基本とし、ESR分光用に改良した。放電と同時にアルゴンガス蒸着により調製した試料の4K in-situ ESR観測を行い、放電電圧・電流、チャンバー真空度、ガス流量、放電用ガスの組成と水素原子発生量の関係を調べた。 (2)^1H原子の効率的発生条件の探査 製作したボトルネック型放電管は、放電電流(0.5mA),放電電圧(約-3kV)、ガス組成(高純度水素:ヘリウム=1:3(体積比))で放電を行ったとき、効率よく^1H原子を発生した。この条件下、試料をスパテュラ型銅製ロッドの片面に各20分間(計40分間)蒸着することで、ESR観測可能な水素原子が生成した。4Kの蒸着実験では、水素原子に加えて、窒素(^<14>N)原子、メチル(CH_3)ラジカル、ホルミル(HCO)ラジカルの生成が確認できた。^<14>N原子及びCH_3ラジカルの生成は、排気系にターボ分子ポンプを用いることで、また、HCOラジカルは光学トラップを併用することで抑制できることがわかった。 (3)水素原子付加反応の確認 水素原子とエチレン分子を繰り返しスパテュラ型銅製ロッド(4K)蒸着させたとき、水素原子付加によるエチルラジカルが生成することをESR測定により確認した。同様に、アセチレンは水素原子付加によりビニルラジカルに変換することを確認できた。 (4)次年度は合成装置の更なる改良を行いSiH_4系の極低温シリコン薄膜の作成を行う。 即ち、新規に購入した大容量ターボ分子ポンプを、タンデム型排気システムのメインポンプとして設置し、チャンバー内の真空度をさらに向上させ、放電条件、試料作成条件のファインチューニングを行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)