Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
今年度は,実際の食物に近い粘度を有する被験食摂取時に口蓋帆挙筋,口蓋舌筋の活動がどのように調節されるかを検討した.すなわち,パラタルリフト装着時に軟口蓋が挙上され,口蓋舌筋が伸展された際の口蓋帆挙筋ならびに口蓋舌筋活動について調べる本研究に先立つ基本情報を得るための研究を行なった. 1)「粘り」を付加した場合の至適嚥下量の測定 「粘り」があると咽頭への送り込み圧が高くなることから,至適嚥下量も変化することが考えられる.そこで,スル-ソフトリキッドを用いて作成した3種の被験食(100ml緑茶,100ml緑茶にスル-ソフトリキッド12g,24gを溶解して作成したもの,計3種)を用いて,至適嚥下量について検討した. [結果]8名の被験者で多重比較検定により粘度が高くなると至適嚥下量は有意に減少した. 2)「粘り」を付加した場合の口蓋帆挙筋ならびに口蓋舌筋活動の測定. 実験1)により,至適嚥下量と「粘り」の間には負の相関関係に近似した関係があることが示されたことから,「粘り」と「嚥下量」の間には因子間相関がある可能性が伺われた.そこで,同様の方法により,口蓋帆挙筋と口蓋舌筋の活動を採取し,両筋の活動を目的変数として「粘り」と「嚥下量」を説明変数とする重相関式によって検定した. [結果]4名の被験者に共通して,口蓋帆挙筋活動は「粘度」と嚥下量を説明変数とする重相関式(重相関係数:0.795-0.869)で説明でき,また標準偏回帰係数は,各被験者とも粘度と嚥下量で近似した値となっていた.すなわち,移行段階での口蓋帆挙筋活動の変化は粘度と嚥下量で60%以上を説明できる(決定係数0.63〜0.76)ことが示された.一方,口蓋舌筋活動は重相関式で説明できるものの,重相関係数は0.562-0.745(決定係数0.32〜0.56)であり,偏回帰係数は,変数ごとに符号ならびに値も被験者により多様であった.すなわち,口蓋舌筋活動の調節には粘度と嚥下量以外の変数も関与する可能性が伺われた.
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