中国返還後のマカオの地域住民組織の存在形態とコミュニティの変容に関する予備調査
Project/Area Number |
15633003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 直樹 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40240345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 強 創価大学, 文学部, 教授 (40147963)
吉原 和男 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (80139998)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マカオ / 地域住民組織 / 街坊会 / ポストコロニアル / CPS |
Research Abstract |
まず、研究分担者と研究実施計画について打ち合わせをし、関連文献資料の国内における所蔵状況について国立民族学博物館、大阪市立大学、ジェトロ・アジア経済研究所等を中心にして調査をおこない、資料リストを作成し共有することにつとめた。その上で香港大学、香港中文大学、マカオ大学への資料調査旅行を企画したが、偶然に予定した時期平成15年8月下旬および12月上旬)にSURSの感染が当該地域において伝えられ、断念せざるを得なかった。しかしマカオ大学および香港大学在籍の現地研究者とのメール、電話等での協議がすすみ、マカオにおける街坊会等地域住民組織に関する資料の所在状況がかなりのところ明らかにされた。とりわけ注目されるのは、澳門日報社の街坊会関連記事のコレクションを現地協力者の助力により入手できたことである。この資料はマカオにおける地域住民組織とそれをめぐる地域権力構造の過去50年間における変遷を見る場合に不可欠の第一級のものである。現在、このコレクションの整理と翻訳作業をすすめているが、現時点でのfindingsは以下の通りである。 マカオの街坊会/地域住民組織は、長い間、住宅問題などの社会問題の緩和に際して社会諸団体間の調整をはかり、マカオ政庁との連絡・協議をおこなってきたが、中国返還後は中国政府のコミュニティ施策に組み込まれる形で「上から」の再編のなかにおかれている。そして地域住民のセイフティネットとしては返還以前のような機能をもはや果たさなくなっている。むしろ役職者を介して地域権力構造において一定の位置を占めるようになっている。 なお、本研究はあくまでも企画段階のものであが、今年度末までに『マカオの地域住民組織<新聞資料編>』という形で成果として公表されることになっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)