"人間性の本質"観と社会的ポリシーの決定-人文・社会科学からの総合的検討-
Project/Area Number |
15633006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仁平 義明 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10007833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁平 道明 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00042440)
野家 啓一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40103220)
松本 宣郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60011368)
佐藤 弘夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30125570)
吉原 直樹 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40240345)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 人間性 / 社会的ポリシー / 性善説 / 歴史 / 宗教 / 思想 / ポジティブ・サイコロジー / 文化 |
Research Abstract |
"人間性"を構成する次元は、理性・合理性、動物性・人間性、利己性-利他性、性善-性悪、正直・誠実性、誤謬性、冷静-感情性、破壊-建設性、自由意志、成長・進歩・変化可能性、あたたかさ-冷酷さ、攻撃性、公正性、理解可能性-不可知性ほか、多様である。こうした人間の本性のうち何に焦点をあて、それをどう考えるかは、多様な社会的場面、歴史的時点、宗教、文化において大きく異なり、社会的ポリシー決定に顕在的・潜在的な影響を与えてきた。この一見ごく当たり前ではあっても、実際にはおもてだって整理されてこなかった問題を明確化し、過去から現代まで、どのような人間の本性観が存在しており、それらが社会的ポリシー決定にどのように作用しているかを、人文・杜会諸科学の総合的な検討から明らかにするのが目的であった。 どの領域における研究からも共通に明らかになったのは、人間性を示唆すると考えられる象徴的な出来事を契機として、検証されないままの人間性の本質に関する信念に基づいて、重要な社会的ポリシーが決定されていくという原理であった。歴史的な変遷をへて、近年の社会的ポリシーの決定にとって、比較的ネガティブな人間観が支配的になりがちな傾向がみられるものの、同時にポジティブな人間観へのベクトル(たとえば、近年のポジティブ・サイコロジーの提唱など)が、その反作用として潜在的にみられるのは、人間文化のバランス作用だと考えられた。いずれにしても、こうした人間観と社会的ポリシーの決定の関係に関しては、さらなる組織的な検討が必要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)