Project/Area Number |
15650074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 薫 国立大学法人筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50111373)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 上丘 / サッケード / 頭部回転 / バーストニューロン / グリシン受容体 / strychnine / 電気泳動投与 |
Research Abstract |
上丘は視線制御に関る最も重要な中枢の一つであり、サッケードの方向と振幅は上丘のどの部位が興奮するかによって制御されると考えられてきた。しかし、サッケードによる視線の移動は生理的な条件下では眼球と頭部の協調運動の形をとる。本研究では、上丘の電気刺激で誘発されるサッケードのパラメーターが頭部運動によりどのような影響を受けるかを解析した。覚醒ネコを用い、水平および垂直方向の頭部回転の効果を調べた結果、誘発サッケードの水平および垂直成分がそれぞれ選択的な修飾を受けた。サッケードと同側の頭部回転では、振幅と速度は著しく増大し、潜時は短縮した。反対側への回転では逆の変化を生じた。また、視覚外界の回転および暗闇での頭部回転の効果から、前庭系および視覚系からの入力の両方がモーターマップの修飾に関与することが明らかになった。さらに、上丘からの信号がその下流のプレモーター回路でどのような修飾を受けるかを調べた。回路の出力を担うバーストニューロンはポーズニューロンから強い抑制を受け注視期に発火を示さないため、前庭入力や上丘入力の動態を直接観察できない。そこで、マルチバレル電極を用いてグリシン受容体阻害薬(ストリキニン)およびGABA受容体阻害薬(ビククリン)を電気泳動的に投与し、抑制入力を遮断したときのニューロン活動を解析した。ストリキニン投与後、持続的な自発活動と視覚性応答、上丘からの単シナプス性興奮応答が出現し、サッケード応答も増強した。したがって、ポーズニューロンからの抑制はグリシン性であり、この抑制により上丘からの興奮入力に含まれる不要な情報が除かれ、サッケード指令が作られると考えられる。また同様の解析により、ポーズニューロンはサッケード時にグリシン抑制、注視期にGABA抑制を受けることも明らかにされた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)