Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,腫瘍組織の電気特性が早期から正常組織のそれとは異なる事実を利用してマイクロ波帯の電磁波を胸部前方より照射,反射波を計測して到達時間の差を周波数空間で区別し,表面反射を除いて乳房内部の早期腫瘍をレーダ画像として捉える手法を開発する.この表面反射除去には既に断層撮像法として開発したチャープレーダ方式マイクロ波CT技術を活用,チャープパルスを利用したCTと当該レーダ・イメージング技術を統合することにより,診断の困難な早期腫瘍を画像として効果的に捉える診断技術開発を目標としてきた. 昨年度までの研究では,二次元乳房モデルの数値解析により腫瘍のある場合とない場合の反射波を捉え,表面からの反射波を除去した同一観測地点における信号段階で両者に差のあることを確認した.乳房内からの微弱な反射波成分をすべて積分した値を任意の計測点における反射信号強度とするレーダ信号処理方式を今年度は三次元乳房モデルに適用することによって,内部の早期腫瘍を画像として捕らえる可能性について検討した. 結果として,三次元モデルに拡張しても直径20ミリ程度の早期腫瘍が乳房の比較的内側にある場合には腫瘍からの反射信号強度が明確に描出されることを信号強度の乳房対称性を仮定した画像処理により示し,第35回のヨーロッパマイクロ波会議で発表した.同時に,乳房特有の曲面をなす皮膚からの反射の影響が乳房外周付近においてレーダ画像に比較的振幅の大きな周期性偽像を生じさせ,腫瘍による反射強度変化をマスクする傾向にあることも判明した.この影響を排除するためには乳房の三次元構造パラメータを事前知識として活用し,各計測点がどのような乳房位置に対応しているかという計測位置情報を利用して,観測信号の中では最大振幅となる皮膚表面からの反射波の影響を排除する必要がある.このアルゴリズムについては引き続き検討中である.
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