「わかっているができない」現象の情報処理過程の解明
Project/Area Number |
15650126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical education
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 裕二 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 雅雄 長崎大学, 教育学部, 助教授 (70217941)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 運動の理解と遂行 / 課題の制約 / 練習環境のデザイン / 理解 / 行為 / 走り幅跳び / 助走 / パス / 姿勢系列 |
Research Abstract |
今年度は,「運動課題の理解と遂行に及ぼす練習環境のデザイン」をテーマに,運動課題の明示的呈示がない場合にも,練習方法(環境)の設定によって,その環境の制約にしたがって身体運動が環境との相互作用の中から生成される可能性を考えた.そこで,サッカーのパスにおいて,3人でパスをまわす条件と,防御者を一人加えて防御者にボールを奪われないようにパスを回すという条件を設定し,未経験者のパス動作を動作解析した.その結果,防御者を設定しない場合よりは,設定した場合の方がボールをコントロールしてからキックするまでの時間が短縮されるが,パスの正確性には影響がないことが明らかになった.このことは遂行者がディフェンダーにボールを奪われないようにとすることが,結果的に動作時間の短縮に結びついており,「早くパスを出す」ことを理解するよりも,「相手にボールを奪われない」ことを理解することによって動作遂行が異なったと考えられる.また,ボールを受けるときの待球姿勢に違いが見られ,防御者を設定した方が,左右どちらにでもパスを送れるような姿勢でボールを受けていることが明らかになった.この待球姿勢の変化も,遂行者が必ずしもその姿勢の有効性を「理解して遂行」しているわけではなく,課題の制約,あるいは練習環境によって「理解しなくても遂行」できた,言い換えればそうした課題の制約や練習環境に適応した結果と考えられる.したがって,運動学習においては,認知的な学習課題と異なり,必ずしも「知識の伝達→理解→遂行」という図式を取る必要はなく,「学習環境の設定(課題の制約)→遂行→理解」という学習過程の可能性を示唆するものである.
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)