骨格筋間質の新しい幹細胞(Sk-34)の分化能と生体における役割の解明
Project/Area Number |
15650136
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sports science
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉木 哲朗 東海大学, 医学部, 講師 (10217177)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
|
Keywords | 組織幹細胞 / CD34 / CD45 / Sca-1 / 骨格筋間質 / 筋肥大 / 筋線維増殖 |
Research Abstract |
申請者らが昨年度、マウス骨格筋間質から新たに見出した組織幹細胞Sk-34(Tamaki T et al.,J Cell Biol.2002)の生体内での役割について検討した。筋に対する刺激として、骨格筋の持つ肥大・増殖・再生能力をほぼ100%引き出すことができる代償性筋肥大モデルを用いた。このモデルは協働筋を切除し、残された筋に慢性的な負荷をかけることによって、作成することが出来る。生体内における、Sk-34細胞の同定にはCD34抗体を、筋芽細胞の同定にはMyoD及びmiyogenin抗体を用いた。また、同定された細胞が既存の筋線維の基底膜内に存在するのか、筋間質に存在するのかを決定するためにlaminin抗体による基底膜染色を行った。刺激開始48時間後から、基底膜の内外でMyoDあるいはmiyogenin陽性の筋芽細胞が認められ始めた。この際、既存の筋線維の基底膜内に存在する筋芽細胞は、既知の細胞であるサテライト細胞であると考えられた。しかし、CD34陽性の筋芽細胞は筋間質でのみ確認され(Sk-34細胞)、既存の筋線維の基底膜内には認められなかった。即ち、これまで半世紀にわたって「生後の筋肉内で筋芽細胞と成りうる細胞はサテライト細胞以外には存在しない」という説に反して、筋間質にも筋芽細胞となりうる細胞が存在し、それらはCD34陽性の細胞であることが示された。加えて、刺激開始120時間後には筋間質の筋芽細胞における基底膜の合成が確認された。これは既存の筋線維の基底膜内に存在する筋芽細胞(おそらくサテライト細胞)が基底膜を持たないのに対して、筋間質の筋芽細胞は基底膜を合成する能力を有していることを示すものであった。これらの結果は、サテライト細胞が既存の筋線維が損傷した場合の修復(再生)に貢献するのに対し、筋間質の筋芽細胞(Sk-34細胞)は基底膜を合成しながら全く新しい筋線維を間質で形成することの出来る細胞であることを示していた。すなわち、生体内におけるSk-34細胞の役割の一つは筋線維の増殖に貢献する細胞であることが示唆された。今後さらに筋内の他の組織、すなわち血管や末梢神経の合成能に関しても検討していきたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)