Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究は,平成15年および16年の2年間をかけ,虚血性疾患患者を対象とした行動変容プログラムの開発を意図した萌芽研究である.研究の目的は,患者(狭心症,心筋梗塞)を対象に,彼らの再発防止を目的として,詩に日常生活における身体活動量を増強させる行動変容プログラムを開発し,このプログラム実施の効果を検証することであった.本研究では,医学的教育プログラムだけでなく,患者の健康行動の維持・継続に焦点を絞り,行動科学の理論・モデルおよび技法を盛り込んだプログラムの開発を目指した.平成15年度では,患者が日常生活の活動量を増加させることを目的に,行動変容の技法を取り入れ,週1回,計3ヵ月間のプログラムを開発し,その効果を検証した.このプログラムでは,医学教育(栄養指導を含む),運動指導,および行動変容の3分野を機能的に組み込み,行動変容としては,セルフモニタリング,目標設定,自己報酬,刺激コントロール,逆戻り予防などの認知行動(セルフ・マネジメント)技法を効果的に取り入れた.その結果,患者の歩数は上昇し,それにつれて各患者のリスク要因全体も減少を見せた.平成16年度では,15年度に実施した行動変容プログラムに加えて,心臓リハビリテーション・スタッフおよび患者の家族によりソーシャル・サポートに注目し,ソーシャル・サポートの程度を独立変数として,従属変数としての日常生活の活動量の増強の程度を見た.その結果,医療スタッフおよび家族とも,患者が彼らから感じるソーシャル・サポート受容が多いほど,身体活動量の増加が見られることがわかった.この結果から,患者に有用なソーシャル・サポートのあり方が議論された.心疾患患者のライフスタイル変容はきわめて困難であり,そのため再発率は高い.本研究で行った行動変容プログラムは,その再発率を減少させる一助となることが期待される.
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