超高感度全自動質量分析装置を用いた放射線誘発アポトーシス制御因子の同定
Project/Area Number |
15651019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 文男 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (10019672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 浩彦 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30261895)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | γ線 / 紫外線 / アポトーシス / Jurkat細胞 / リボソームタンパク質 / 二次元電気泳動 / 質量分析装置 / プロテオーム解析 / cytochrome c / Jurkat / HeLa S3 / プロテオミクス |
Research Abstract |
γ線や紫外線により生じたDNA損傷をトリガーとするアポトーシスシグナル伝達は、主としてミトコンドリアを介することが知られている。しかし、その上流に関わる因子に関しては依然として明らかになっていないのが現状である。これまでの研究により、Jurkat細胞に同程度の致死線量のγ線と紫外線を照射した場合、アポトーシス細胞の出現時間は両放射線間で大きく異なることが判明している。そこで本研究では、放射線誘発アポトーシスに関わる制御因子を同定するため、放射線照射されたJurkat細胞より細胞質浮遊液を抽出し、二次元電気泳動法と質量分析装置を用いて放射線応答性タンパク質の同定(プロテオーム解析)を試みた。その結果、昨年度報告したように、20J/m^2の紫外線を照射したところ、分子量がほぼ同じて等電点の異なる位置3ヶ所にacidic ribosomal protein P2(P2)が同定できた。そこで、3ヶ所のタンパク質(P2)スポットについてさらに詳細な質量分析(MS/MS解析)を行ったところ、未照射細胞では第102位及び第105位のセリンがリン酸化されているが、アポトーシス細胞が出現する照射後1時間では第105位のセリンが脱リン酸化されることがわかった。また、照射後3〜6時間経過するとアポトーシス細胞出現頻度が高くなるが、それに依存して両方のセリンがいずれも脱リン酸化したP2が検出できた。興味あることに、この変化はcaspase阻害剤z-VZD fmk処理した細胞でも共通して観察された。一方、15Gyのγ線照射では照射後12〜24時間培養することによりアポトーシス細胞が出現するが、これと同時に脱リン酸化したP2が蓄積することがわかった。以上の結果は、Jurkat細胞における放射線誘発アポトーシスに、細胞死促進因子の一つとして脱リン酸化型のリポソームタンパク質P2が関与していることを示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)