化学物質過敏症と情動異常の関係を動物モデルにより解明する
Project/Area Number |
15651022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
欅田 尚樹 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (90178020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笛田 由紀子 産業医科大学, 産業保健学部, 助手 (10132482)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 化学物質過敏症 / MCS / 動物モデル / 行動 / 情動異常 / 不安 / ホルムアルデヒド / 吸入曝露 / 海馬 / シナプス長期増強 |
Research Abstract |
MCSと診断された患者の中枢神経系関連の症状として、疲労感・頭痛・不安・憂鬱・集中できない・物覚えが悪くなった・いらいら感・めまい等報告されている。そこで我々は申請書にあるように情動との関係に注目し大脳辺縁系の関与を考えた。昨年は、雄性BALB/cマウスにホルムアルデヒド(2000ppb)を12週間経気道曝露し、対照群には同様の曝露チャンバー内で新鮮空気を与えた。曝露終了後、両群のマウスから海馬のスライス標本を作製した。そして、海馬CA1領域の錐体細胞について、刺激-応答曲線とシナプス長期増強を調べた。その結果、刺激電流値とpresynaptic fiber volleyの関係は曝露群と対照群で有意な差がみとめられた。しかし、長期増強に関しては、テスト刺激で誘発された集合シナプス電位のslopeの大きさは2群間で差がなかった。またLTPは曝露では変化しないことが示唆された。今年度は、雌性C3H/Heマウスを用いて、昨年同様にホルムアルデヒド(2000ppb)を12週間経気道曝露を実施し、行動実験的手法で検討した。行動評価には、オープンフィールド試験、高架十字迷路試験、受動的回避学習試験などを実施した。その結果、高架十字迷路試験において、ホルムアルデヒド曝露群は対照群よりもオープンアームでの移動距離や滞在時間が減少し、不安を示す行動も増加した。受動的回避学習試験では暗室移行潜時がホルムアルデヒド曝露群の方が7倍長かった。一般活動性、空間学習、痛覚閾値にはホルムアルデヒド曝露は影響を及ぼさなかった。これらの結果は、ホルムアルデヒド曝露群においては不安情動が高くなり、回避学習能が高いことを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)