自由空間におけるナノ・スケール二液相分離と臨界現象
Project/Area Number |
15651044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273436)
大政 義典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30301229)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | クラスター / 臨界現象 / 相分離 / 混和性 |
Research Abstract |
相分離傾向が異なる二元系希ガスクラスターを取り上げて、硬X線を用いた光イオン-光電子同期計測(PEPICO)を行った。具体的には、クラスターにおいて二相分離が期待されるNe-Krクラスターと、均一層を形成すると期待されるAr-Krクラスターで、それぞれ平均サイズと組成を調整したクラスタービームを生成し、X線照射によって生成する解離イオンをPEPICOによって測定した。硬X線の元素選択性を利用することで、Krのみを選択的に励起して実験が可能である。得られたPEPICOスペクトルは明瞭なクラスターサイズ依存性と組成依存性を示し、その振る舞いにNe-Kr系とAr-Kr系では混和性の差に起因すると考えられる違いが見られた。一例としては、低Kr濃度のAr-Krクラスターから得られる子イオン収量のサイズ依存性は、Kr単体クラスターのそれと類似の挙動を示し、混合クラスター中でKr原子が概ね均一に分散してと考えられる。一方、Ne-Krクラスターの子イオン収量は、それとは異なる傾向を示しており、Kr原子を核として、その周囲にNe原子が凝集したクラスターを形成していると考えられる結果であった。さらにAr-Krクラスターの子イオン収量を詳細に見ると、Ar-Krクラスターの表面一原子層のみでKr濃度が極端に低下していることを示唆する結果が得られた。以上の結果はX線吸収後の脱励起過程がクラスターのサイトに依存することを利用した物であるが、こうした手法が自由クラスターの相分離挙動の測定に有効であることが実証された。さらに本研究から、クラスター表面での原子一層レベルでの濃度揺らぎを検出可能な、新しい実験手法も提案される。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)