Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
本研究の目的は、「可変価格取引(申請時は可変取引という名称)」の有用性を示すことです。本研究では、「可変価格取引」の有用性として、次のようなことに貢献するのではないかという仮説を立てました。サプライチェーン内で、より適切な利益配分を促すことに「可変価格取引」が貢献するのではないかというものです。もしも、仮説どおりであれば、チェーン内でネックとなっていて、投資をより必要としている企業に資金を供給することが可能になります。これによってサプライチェーン全体の効率化を促進することになります。「可変価格取引」という仕組で、わずかばかりの個の底上げをすることによって、全体が見えない個の集合が、それまでよりも全体最適を目指すことが可能かもしれない、というものでした。本研究では、「条件に予約を組み込んだ可変価格を使用したもの』と「現金と商品を直接交換する、従来型の定価を使用したもの」とで比較実験を行いました。このことから「条件に予約を組み込んだ可変価格を使用したもの」の方が、エージェントの個数が比較的安定し、総需要を満たすのに最低必要なエージェントの個数の理論値に近似するとがわかりました。このことは、サプライチェーン内で、より適切な利益配分が促された結果であるといってよいだろうと思われます。「可変価格取引」という仕組で、わずかばかりの個の底上げをすることによって、全体が見えない個の集合が、それまでよりもサプライチェーン全体の最適に貢献できるという可能性を見出せたのではないかと考えています。ただし、今回の可変価格には、条件として予約だけを組み込んだもので、当初、予定していた数量の条件を組み込むまでにはいたりませんでした。また、現れた現象を十分説明できない部分も残っています。これらは今後の課題です。
All 2006
All Journal Article (2 results)
商学論叢 50・4
Pages: 309-328
商学論叢 51・1(印刷中)
Pages: 22-22
110004656230