Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252571)
並河 良典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80228080)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
等質空間が,コンパクト非ケーラー多様体の典型例をあたえることは,古典的によく知られている結果である.これに対し,概等質な多様体として非ケーラー多様体が生ずるか,特に単純Lie群の概等質空間でこのようなものが生じるかどうかについては,今日までほとんど研究がなかった.本研究では,GhysによるSL_2C等質多様体の研究に触発され,リー群がSL_2Cである場合に,組織的にこのような概等質非ケーラー多様体を構成する方法を見出した.これらは実際(実3次元の)双曲多様体およびKlein群の理論と密接に関連しており,Klein群が幾何学的有限かつ純斜行的(すなわち非自明な放物元を持たない)であるとき,常に構成される.実際,これらの概等質非ケーラー多様体の(SL_2Cの極大部分群である)特殊ユニタリ群による商空間をとると,これがあたえられKlein群に対応する双曲多様体の自然なコンパクト化である境界つき多様体そのものになる.幾何学的有限かつ純斜行的なKlein群はSullivanにより構造安定性により特徴付けられており,その変形理論は境界のリーマン面の変形論により記述される.この事実を,上記の概等質複素多様体の変形論に関係づけることは大変興味ある問題であるが,この研究では予想される関係をコホモロジカルに書き下した.一方,上記の関係を用いて考えている複素多様体の基本群,普遍被覆,betti数などを対応する境界つき双曲多様体の不変量であらわした.これらはしたがってKlein群が(擬)フックス群やショットキー群のような典型例である場合には具体的に求められる.さらにこれらの多様体が実際に非ケーラーであり,特殊な決定できる例外を除いて定数でない有理形関数を持たないこと,また非特異有理曲線を多く持つクラスLの多様体であることなどを示した.
|