高圧・低温下におけるミュオンスピン回転・緩和法測定技術の開発
Project/Area Number |
15654044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 一彦 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60225927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
髭本 亘 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (90291103)
毛利 信男 埼玉大学, 理学部, 教授 (40000848)
谷口 弘三 埼玉大学, 理学部, 助教授 (50323374)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | μSR / 高圧 / 低温 / 磁性 |
Research Abstract |
前年度までの研究結果により我々の開発した圧力容器は充分にミュオンスピン回転緩和実験(μSR)が可能なものであることがわかった。今年度はより高い圧力で実験が可能な圧力容器,及びより高いSN比で実験が可能な圧力容器の開発を目指し,その設計を行った。まず,これまで圧力容器に用いていたMP35N(NiCoCrMo合金)やBeCu合金の代わりにNiCrAl合金を用いることにした。前者の場合,圧力容器に静止したミュオンはCoやCu原子核から生じる核双極子磁場によりマイクロ秒程度の時間スケールでミュオン緩和が生じ試料におけるミュオン緩和の時間スケールが同程度である場合に測定に支障を及ぼした。しかしながら後者の合金のμSR信号を測定したところ,ヘリウム温度においてもほとんど緩和が生じないことが明らかになった。これは核双極子磁気モーメントを持つ原子核の割合が非常に少ないためであり,NiCrAl合金は高圧μSR実験に適した材質であることが明らかになった。また,ピストンシリンダー型の圧力容器では試料と圧力媒体をテフロン容器に封入するのが一般的であり我々もその方式を採用していたが,テフロンに静止したミュオンは弗素と結合し複雑なμSR信号を生じデータのSNを低下させる一因となった。そのため,新しい圧力容器ではテフロンを採用せずに直接試料と圧力媒体を圧力容器に封入するスタイルを採用する。以上の方針の下に新たな装置を制作中である。また,圧力により物性が劇的に変化する有機物質に着目し,反強磁性絶縁体β'-(BEDT-TTF)_2ICl_2とβ'-(BEDT-TTF)(TCNQ)のμSR実験を行い,これらの物質の反強磁性相においてミュオンスピン回転信号の検出を初めて行った。以上の成果の一部は2005年夏に開催された国際μSR会議で報告を行った。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)