Project/Area Number |
15655007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 固体ヘリウム / 高分解能分光 / 赤外分光 / マトリックス分光法 / 量子固体 / マトリックス分光 / 振動・回転 / 赤外 / 単離 / 高圧 |
Research Abstract |
本研究では、もっとも相互作用の小さいヘリウム原子の固体である固体ヘリウム中に分子を捕捉して、その振動回転電子状態の超高分解能分光を行う究極のマトリックス分離分光法の開発を行うことを目的としている。本年度は、これまでに技術が確立されていない固体ヘリウムへの分子の捕捉技術の開発を行うとともに、実際に分子を入れ、赤外分光を試みた。固体ヘリウムは20気圧以上の高圧でしか存在しないため、真空卞で低温の基板に混合ガスを吹き付けてマトリックスを生成する通常のマトリックス単離分光法の手法を用いることができない。そこで閉じたセルの中に高圧をかけて結晶を成長させる新しい固体ヘリウムマトリックス法を開発し、その改良を行った。具体的には、セル内の圧力を20気圧以上にしてヘリウム固体が成長する条件を作り、そこにさらに高圧にした混合ガスをノズルから吹き出しながら固体表面に吹き付けることによって、固体ヘリウム中に分子を捕捉する手法である。このとき、セルの温度は固体ヘリウムのできる1K程度に冷却する必要がある一方、混合ガスを吹き出すノズルはできれば室温程度の温度に保つ必要がある。そのためにヒーターを用いてノズルを適度に加熱するとともに、ノズルの先の断熱を工夫することで、セルを1Kに保つことに成功した。この手法を用いてCO分子の捕捉を試みた。赤外分光から、ある条件下ではCOの非常に小さなクラスターが捕捉されることがわかり、現在さらに単離される条件を探しているところである。
|