Project/Area Number |
15655024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 哲男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20183030)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 氷 / クロマトグラフィー / フェノール / ポリエーテル / 分離原理 / 電気泳動 / 環境調和 / 新規分離材料 |
Research Abstract |
液体窒素中で水滴から氷の粒子を作り、カラムに充填する方法を確立し、有機溶媒を移動相とするアイスクロマトグラフィーの実験に成功した。ヘキサン-酢酸エチル、ヘキサン-THFを移動相として用いたときに以下のことが明らかになった。 1.フェノール類では、レゾルシノール、サリチル酸、アミノフェノールなど、極性基を複数持つ分子は氷によく吸着するのに対し、クレゾールなどの吸着、保持は小さい。 2.環状ポリエーテルでは、ベンゾ30クラウン10が保持されるのに対し、ジベンゾ18クラウン6やベンゾ15クラウン5などの保持は小さい。 3.非環状ポリエーテルであるTritonX-100を試料として用いると、ポリオキシエチレン鎖が短いものはあまり保持されず、長いものは強く保持され、条件によっては固定相から溶出しない。 4.1-3の結果は水への化合物の溶解度では説明できない。 以上のことから、氷表面に存在するダングリングボンドと溶質間の多点水素結合形成が重要な役割を果たしていると考えることができる。氷表面には薄い疑似液相が存在することが知られており、この液膜相への分配が保持の原因であると考えることもできる。しかし、本実験を行った条件(-20℃付近)では、液相の存在が確認されていないことから上述の表面での多点水素結合形成がおもな保持機構であるとするのが適切であると考えている。移動相に水性相を用いるなどのさらなる発展の可能性を秘めている方法であるが、方法論的な困難が大きいという問題点があった。しかし、今回の研究によって方法論的な困難を取り除き、種々の実験を試行できるところにまで達することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)