Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
液体クロマトグラフィの中でも,逆相分配系と言われる手法が最も広く利用されており,操作性が簡便でかつ分離の適用範囲が広いのが特長である。通常,多孔質シリカのような物理的に安定な担体の界面上に有機相を固定化したものが分離剤として利用されている。しかしながら,有機相のバリエーションははなはだ限定されており,一般には移動相の条件を微調整することによって多彩な分離能を達成しているのが現状である。そこで本研究では,逆相分配クロマトグラフィのための新しい機能性有機界面を作製するための手法を提案し,実施した。 本研究の最大の特長は,有機相として疎水性と弱い相互作用点を多数導入し,結果として分子認識能を併せ持った逆相分配系の分離を達成させることを目的としている。そのため,脂質リポソームの機能,すなわち,脂質による疎水性と二分子膜構造に基づく分子配向性を有機相の機能として固定化することを目標とした。しかしながら,天然脂質によるリポソームでは,化学的な不安定さやイオン性によって相互作用の機構が複雑となることが予想させるため,本研究ではまず人工脂質系をデザインし,これを合成することから研究をスタートした。同人工脂質が溶液中で分子配向状態を形成しうることを確認したのち,多孔質シリカ上に同分子を固定化し,液体クロマトグラフィにおける分離能を評価した。その結果,最も広く利用されている逆相分配系分離剤,モノメリックODSと類似の分離機構が得られるだけでなく,現在最も高い分子形状識別能があるとされているポリメリックODSをはるかに凌ぐ分離能が発現することを確認した。本研究では,固定相の物理状態をNMRによって評価し,分離機構の解明を行なった。
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