Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究では,意図的に重金属を添加したモルタル供試体を作製した.銅,亜鉛,鉛の3種類を重金属として使用し,添加量は8kg/m^3として,いずれも試薬の硝酸塩を用いた.モルタルの水セメント比は,0.40,0.60とした.溶出試験は環境庁告示13号試験(以下,13号試験),DEV S4試験(以下,DEV試験),タンクリーチング試験(以下,TL試験)について実施した.各溶出試験において液固比等の試験条件が異なるため,試験結果は単位試料質量あたりの溶出量で整理し,比較検討を行った.TL試験より,いずれの重金属を含有した供試体においても,溶出は浸漬初期に急増しその後は漸増する傾向が認められ,重金属の溶出は拡散が支配的であると考えられる.また,銅,亜鉛に比べて鉛の溶出量が極めて多く,重金属の種類によりコンクリート中における固定形態が相違することがうかがえた.さらに,溶出量と水セメント比の関係では,いずれの重金属においても水セメント比の高い0.60の方が溶出量は多く,重金属の塩化物塩を用いた既往の研究とは異なる結果を得た.さらなる詳細な検討は必要であるが,重金属塩の形態によっても,コンクリート内部における固定形態や溶出挙動は異なることが示唆された.TL試験結果を13号試験,DEV試験の結果と比較したとき,銅を用いた場合にはいずれの水セメント比においてもTL試験での溶出量が13号試験,DEV試験での溶出量を上回り,亜鉛を用いた場合にはいずれの水セメント比においてもTL試験での溶出量が13号試験,DEV試験での溶出量を下回る結果となった.以上のことから,コンクリートからの重金属溶出では,タンクリーチング試験の結果に基づきある程度の長期予測は可能であるが,超長期の予測に関してはさらに検討が必要であり,また重金属の種類によって,各種溶出試験結果の有する意味合いが異なることが明らかとなった.
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