Project/Area Number |
15656178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 忠夫 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (20002941)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ホウ素浸透 / ホウ酸膜形成 / 潤滑被膜 / 自己修復 / 原子間力顕微鏡 / ホウ酸皮膜成長形態 / SUS304鋼 / ホウ酸形成 |
Research Abstract |
窒素ガス中でホウ素の高周波励起イオンプレーティングの際に電子ビーム蒸発源の周りに設置したSUS304基板中にB-N化合物が浸透し、浸透した基板を大気放置すると、B-N化合物が大気中の水分と反応しホウ酸アンモニウムが形成し、それが潤滑作用を示す。表面に形成した生成物を除去しても、繰り返し生成して来るので、自己修復型潤滑皮膜といえる。本年度は、基板表面のB-N堆積物を研磨除去した後、卓上型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)を用いてホウ酸アンモニウムが成長してくる様子を観察し、B-N化合物の浸透機構の推定を行った。その結果を以下に示す。1.基板表面に形成したB-N皮膜からのホウ酸アンモニウムの成長と形成皮膜を除去した場所からの成長の様子は違うことが分かった。2.B-N精製皮膜を除去した場所からのホウ酸アンモニウムの形成は、一般的には、皮膜除去直後からであるが、タイムラグを伴うこともあった。3.ホウ酸アンモニウムの成長形態は火山地帯で地面が隆起し、新山が形成される過程とよく似ていた。4.ホウ酸アンモニウムの山の成長は700〜1440minの間で完了、その到達高さは300〜700nmであった。その後は「生成物の昇華と再成長」を繰り返した。5.表面からより深く削られた場所からの成長は浅い場所からのものに比べて到達高さは低くなる傾向にあったが、例外もあった。6.B-N化合物の浸透機構は、蒸発源から窒素プラズマ中を飛び跳ねたホウ素の衝撃でB-N化合物が埋め込まれると同時に穴になり、その穴を後から堆積したB-N被膜が埋めるものと推定された。
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