Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
低温ストレス刺激に応答した酵母HOG経路の活性化は,この経路のMAPキナーゼキナーゼであるPbs2を欠損すると全く起こらなくなることから,正常なMAPキナーゼ経路の活性化機構を介したものであることが明らかになった。また,2つの浸透圧センサー経路のうち,Sln1経路の必須因子であるSsk1,もしくはSln1経路に特異的なMAPキナーゼキナーゼキナーゼであるSsk2/22を欠損させると,低温ストレス刺激に応答したHOG経路の活性化は観察されなくなった。これに対してもう一方の浸透圧センサー経路であるSho1経路を欠損させても,低温ストレス応答性には変化が認められなかった。このことは,2つの浸透圧センサー経路のうち,Sln1経路が低温センサーとして機能していることを示している。さらに,低温条件下ではSho1経路による浸透圧ストレス応答性も著しく低下していたことから,Sln1経路のみが低温センサーとして機能するのは,低温でSho1経路の機能が低下することによるものであると考えられる。 有機溶媒であるDMSOを培地に添加することにより、細胞膜の流動性が低下することが報告されている。酵母細胞をDMSO処理すると,低温ストレス刺激と同様にHOG経路の活性化が引き起こされた。さらに,DMSO処理と低温ストレス刺激のHOG経路活性化に及ぼす作用は相加的であった。また,逆に細胞膜の流動性を昂進させることが知られているエタノール処理によって,HOG経路の低温ストレス応答性が抑制された。このことは,酵母が主に細胞膜の流動性の低下を低温ストレス刺激の指標としてモニターしていることを示唆している。
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