上皮創傷治癒におけるIGF-1の新たな機能の解明と創薬への応用
Project/Area Number |
15659061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 佳弘 山口大学, 医学部, 助教授 (90301308)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 上皮創傷治癒 / 角膜上皮細胞 / IGF-1 / サブスタンスP / IP_3 / 燐酸化酵素 / 細胞内Ca^<2+> / 上皮伸展促進作用 / 上皮 / Insulin-like growth factor / Substance P / 角膜 / 組織培養 / 上皮進展促進作用 / 融合蛋白質 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
上皮創傷治癒は、サブスタンスP存在下にIGF-1によって著明に促進される。本研究代表者らは、この作用がIGF-1のCドメイン4アミノ酸(SSSR)によりもたらされ、従来から知られているIGF受容体やインスリン受容体を介するものでないこと見出した。本年度の研究では、IGF-1のSSSRペプチドによる上皮伸展促進作用を利用した新たな創傷治癒促進薬の開発を目指して、SSSRがその作用を発揮する際に必要となるサブスタンスPのシグナル伝達系の解析を行った。サブスタンスPは、角膜上皮細胞のNK1受容体に作用し、ホスホリパーゼCを活性化した。この下流のシグナルを解析したところ、DAGを介したPKC活性化は関与せず、IP_3を介したIP_3受容体の活性化が上皮伸展促進作用に必須であることが明らかとなった。さらに、ERからのIP_3受容体活性化によるCa^<2+>遊離がシグナルとなり、細胞内で上昇したCa^<2+>がカルモデュリ依存性燐酸化酵素を活性化することが上皮伸展促進作用に必須であることが明らかとなった。サブスタンスPのみでは上皮伸展促進作用が起こらないことから、カルモデュリ依存性燐酸化酵素の標的はSSSRからのシグナルとクロストークすると考えられる。カルモデュリ依存性燐酸化酵素を介したサブスタンスPの効果は、IGF-1或いはSSSRに対する細胞の感受性を約1万倍に増加しており、高濃度のSSSRを使用するとサブスタンスPが存在しなくても上皮伸展促進作用を発揮することが明らかとなった。これらの結果は、上皮創傷治癒メカニズム及び作用機序を明らかにするのみならず、SSSRの単剤として上皮創傷治癒薬として使用できる可能性を示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)