Wntシグナル経路における受容体のエンドサイトーシスを解析する実験系の確立
Project/Area Number |
15659077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 章 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10204827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50274064)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 受容体 / エンドサイトーシス / Wnt / β-カテニン / Frizzled / ダイナミン / リサイクリング |
Research Abstract |
Wntシグナル経路の解析において最も研究が遅れているのは、Wntとその受容体のエンドサイトーシスの制御機構に関するものである。本研究では、他の受容体で行なわれているようなエンドサイトーシスの実験系の確立することを目的として、本年度は下記の成果を得た。 (1)ダイナミンK44Aはアドレナリン受容体刺激によるエンドサイトーシスを抑制することが知られているが、ダイナミンK44AはWnt-3a依存性のβ-カテニンの蓄積を抑制した。また、EpsinのENTH領域がインスリンとEGFの受容体のエンドサイトーシスを阻害するが、ENTH領域もWnt-3a依存性のβ-カテニンの蓄積を抑制した。さらに、クラスリンを安定化させ、受容体のエンドサイトーシスを阻害するダンシルカダベリンを細胞に作用させると、Wnt-3a依存性のβ-カテニンの蓄積が減少した。したがって、Wnt-3aによるβ-カテニン経路の活性化には、受容体のエンドサイトーシスが必要であることが示唆された。 (2)Flag tagを付加したFrizzled 8(Wnt-3aの受容体の一つ)を発現した293細胞に、Wnt-3a conditioned mediumを作用させ、Frizzled 8がエンドサイトーシスされる様子を観察した。Wnt-3aを作用させる前には、細胞膜上に存在していたFrizzled 8は30〜60分後に細胞内の小胞上に局在して、120分後には、再び細胞膜上に見出された。したがって、Frizzled 8はWnt-3aと結合した後に、細胞内に取り込まれ、その後に再利用されると考えられた。この実験系は、Wntとその受容体のエンドサイトーシスの解析する上で有用である。 以上の結果から、本研究課題は計画通りに遂行されたと判断している。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)