マラリアの長期免疫記憶に関する分子細胞学的機序の解明
Project/Area Number |
15659100
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Parasitology (including Sanitary zoology)
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小安 重夫 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
鈴江 一友 群馬大学, 医学部, 講師 (00333485)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
|
Keywords | immune memory / malaria vaccine / Plasmodium berghei XAT / adoptive transfer / adaptive immunity / protective immunity / Rag-2 knockout mouse / murine malaria |
Research Abstract |
群馬大学の脇・鈴木らは、1個の原虫接種でマウスに致死性を示すPlasmodium berghei強毒株NK65株に放射線照射を施し、弱毒株P.berghei XAT株を作製した。この原虫をマウスに多量に接種してもマウスは生存し、そのマウスには6ヶ月以上にわたって免疫記憶が成立することから、得られた弱毒株はまさにネズミにおける弱毒マラリアワクチン株である。この系では非常に安定した明白な実験結果が得られるので、マラリアの免疫研究に最も適している。 平成14年度より当該研究費により、弱毒株P.berghei XAT株で生じる免疫記憶細胞の維持機構について検討を加えた。まず免疫記憶の維持はマウス体内における原虫の持続感染によるものなのかどうかについて調べた。感染から6ヶ月間にわたって(まだ免疫記憶を保持している)一週間ごとに末梢血を採取し、薄層塗末標本中の原虫の有無を観察したところ、感染から1ヶ月以上経過したマウスからは全く原虫が観察されなかった。次に感染から2ヶ月経過したマウスの脾臓を摘出し、ウェスタンブロット法及びPCR法により原虫の存在を調べたところ、いずれの方法においても原虫抗原、原虫DNAは観察出来なかった。その脾臓細胞をRag-2^<-/->マウス(T、B細胞を欠損)に移入してからさらに2ヶ月間飼育した後、強毒NK65株を感染させるとマウスは原虫の増殖を抑制した。またXAT株感染後抗マラリア薬を投与しても、免疫記憶の保持に影響しなかった。以上のことから、免疫記憶の保持には原虫の存在及び原虫抗原の存在は必要がないことが示唆された。また細胞標識によって分裂回数をモニターする試薬であるCFSEを使用した実験においては、移入した免疫記憶細胞(CFSE標識細胞)で特に分裂回数の多いものは観察されなかった。この事から、免疫記憶細胞は繰り返し分裂することによって保持されるのではなく、細胞が長期間生存し続けることによって免疫記憶が維持されることが示唆された。今後どのような分子によって防御免疫及び免疫記憶がになわれているのかについて、追究しているところである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)