過敏性腸症候群のストレス感受性と遺伝子多型の日米比較
Project/Area Number |
15659145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福土 審 東北大, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80199249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20171994)
青木 正志 東北大学, 病院・助手 (70302148)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 過敏性腸症候群 / クロスカルチャー / ストレス感受性 / 質問紙 / 症状評価 / 心理的異常 / 疫学調査 / セロトニントランスポーター遺伝子多型 |
Research Abstract |
過敏性腸症候群は、患者のQuality of Lifeの著しい低下を招き、21世紀に重視されることが確実視される重要な消化器病である。過敏性腸症候群の罹患数は多く、欧米では全人口の8-15%を占め、国の医療費に対する負担も巨額となる。過敏性腸症候群の病態においてはストレス感受性と抑うつ、不安を代表とする心理的異常が深く関与する。しかし、わが国における実態は不明である。ここから、過敏性腸症候群の病態形成における遺伝と環境の相互作用をクロスカルチャー分析することにより、本疾患の発症機序に迫ることができると仮説づけた。本年度の目的は欧米の調査法と調和させたわが国における過敏性腸症候群の実態を調査することである。対象は一般ボランティア304例である。消化器症状をRome II Modular Questionnaire (RIIMQ)で、ストレス感受性をPerceived Stress Scale Scale (PSS)、Self-rating Depression Scale (SDS)、State-Trait Anxiety Inventory (STAI)、Tronto Alexithymia Scale 20-items (TAS-20)で分析した。上肢より静脈採血し、末梢血からDNAを抽出し、PCRで増幅し、電気泳動によりセロトニントランスポーター遺伝子多型(5-HTTLPR)分析を実行した。5-HTTLPRの頻度はs/s型61.4%、s/l型30.2%、l/l型5.9%であり、明らかに白人の5-HTTLPRよりもsアリルを持つ者の割合が高かった。非定型なs/extra-l型0.9%、l/extra-l型1.5%も認めた。非定型を除外した296例では、RIIMQの34.5%が過敏性腸症候と判定された。5-HTTLPRと過敏性腸症候群には関連性はなかった。しかし、l/l型において腹部膨満感が有意に強く(p<0.05)、TAS-20の総得点が有意に高かった(p=0.004)。これらがsアリルを持つ者の割合が高いわが国における過敏性腸症候群の遺伝的背景の特徴である可能性がある。過敏性腸症候群の病態形成における遺伝と環境の相互作用をクロスカルチャー分析する研究はきわめて将来性が高く、今後の検討が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)