Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
肝細胞癌に対する肝移植療法は、生体内の癌病巣とともに発癌の母地である肝硬変までも除去するという点で肝細胞癌の根本的な治療法となり得ると考えられるが、病期の進行した症例では移植後においても転移再発が認められる。一方、肝細胞癌においては特定の染色体領域の欠失や重複が高頻度に認められ、これらが癌の悪性化の主要な原因と考えられている。このことから、肝細胞癌の染色体異常に基づいた肝移植治療後の転移再発の予測式を確立することを目的として本研究を開始した。当院移植外科で肝移植治療を受ける肝細胞癌症例に対し、文書によりインフォームドコンセントを得た後、病理部に提出された肝組織の癌部及び非癌部を採取した。PCRプライマーは22の常染色体およびX染色体を網羅する400のマイクロサテライトに対応する市販のプライマーを用いた。アレリックインバランスの判定には癌細胞の2つのバンドのピーク面積比を非癌肝組織のピーク面積比で補正し0.70をカットオフ値とした。アレリックインバランスが認められたマイクロサテライトは更に正常型を示すマイクロサテライトを内部基準とした比較二重PCRを行い、染色体の欠失または重複を判定した。11例の検体を採取したが、うち4検体はDNA抽出が不良であり、さらに3検体はアレリックインバラスが検出されず腫瘍細胞が十分採取されていないと考えられた。残る4例については以下のような染色体異常が検出された。症例1,-1p,+1q,-4q,+5p,+6q,+7p,-7q,+8q,-9p,-10,-12p,-14q,-17,-19p;症例2,-1p,+1q,-4q,+6P,-6q,-16,+20;症例3,-1p,+3,+11,+12p,-14q,+16p,-16q,-18q,-21q;症例4,-1p,+1q,-2,+3,+4p,-4q,-8p,+8q,-11,-16。現在も解析を継続中であり、50症例が集積された時点で移植治療後の転帰を調査する事により、これら染色体異常に基づいた転移再発の予測式の構築を検討する予定である。
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