ケモカインを用いた内皮前駆細胞動員制御による次世代治療的血管新生療法
Project/Area Number |
15659187
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江頭 健輔 九州大学, 大学病院, 講師 (60260379)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 史朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 日本学術振興会特別研究員(PD)
市来 俊弘 九州大学, 大学病院, 助手 (80311843)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
|
Keywords | ケモカイン / 血管新生 / 血管形成 / 治療的血管新生 |
Research Abstract |
我々は内皮前駆細胞、endothelial progenitor cell(EPC)のケモカインであるstromal cell-derived factor-1α(SDF-1α)に着目し、SDF-1α用いて「EPCを選択的に虚血組織に動員する」ことにより、より効率的かつ安全性の高い第二世代の血管新生療法が可能かどうかを明らかにしたので報告する。 【結果】 骨髄細胞のみでLacZを発現するマウスモデルを用いる。上記骨髄移植マウスに大腿動脈起始部から伏在動脈を結紮・剥離することにより下肢虚血モデルを作成した上で、虚血部位へSDF-1α遺伝子あるいは対照遺伝子導入を行った。以下の結果を得た。 SDF-1αによって、1)骨髄から末梢血へEPC(CD31,c-kit抗体を用いたフローサイトメトリー)が動員される、2)EPCが虚血組織へ動員される(X-gal染色)、3)血流が改善する(レーザードップラー血流計による下肢血流測定)、4)血管新生が生じる(CD31,Flk-1,CD34抗体による免疫染色)、ことが明らかどなった。これらの成績によって、SDF-1α遺伝子導入によって血管形成だけでなく血管新生も生じることが示唆された。 SDF-1α蛋白を含むmatrigelをwildtypeマウスに植え込みSDF-1αによる血管形成能を検討し、生体レベルで骨髄EPCが動員され血管形成が誘導されることを明らかにした。 SDF-1αによる血管新生と血管形成の分子機序にeNOSが関与することをeNOS欠損マウスを用いて明らかにした。 【考察】 本研究によって、SDF-1αの治療的血管新生作用が初めて明らかになった。SDF-1αは血管形成と血管新生を誘導し、その分子機序にeNOS、VEGFなどが関与することも明かとなった。 今後は下肢虚血モデルだけでなく心筋虚血モデルにおいてもSDF-1αが有用かどうかを明らかにしたい。SDF-1α遺伝子導入が次世代の治療的血管新生療法となる可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)