特異な変異を有するWiskott-Aldrich症候群患者の解析と治療への応用
Project/Area Number |
15659242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久間木 悟 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (20311566)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | Wiskott-Aldrich症候群 / 原発性免疫不全症 / second site mutation / WASP蛋白 |
Research Abstract |
1.T細胞の一部にWASP蛋白を発現するWiskott-Aldrich症候群患者の解析と治療 (1)我々が樹立した抗WASP抗体を用いた細胞内染色により、Wiskott-Aldrich症候群のスクリーニングを実施し、細胞内にWASP蛋白を発現する患者を同定した。その中に分子量の軽いWASP蛋白を発現するWAS患者が存在した。この患者にみられたnonsense変異と開始コドン(ATG)に第2変異を併せ持つ変異WASP遺伝子を単離し、各々のcDNAを発現ベクターに載せた。このベクターをWASP蛋白の発現していない繊維芽細胞に発現させ、産生される分子量の大きさを比較検討した。その結果、開始コドン(ATG)に第2変異を併せ持つ変異WASP遺伝子では第2開始コドンであるATGから、蛋白が読まれていた。この変異WASP蛋白質はT細胞受容体からのシグナル伝達を促進するNckと結合できるのみならず、逆にシグナルを抑制するWIPとも結合できることを示した。以上より上記変異WASP蛋白質は機能的であることを示した。 (2)本症例の末梢血単核球の細胞内染色を行ったところ、約半数のCD4陽性細胞と大多数のCD8陽性細胞でWASP蛋白質の発現が認められたが、T細胞受容体のレパトア解析ではskewingがみられた。このことから、この患者で検出された分子量の軽いWASP蛋白はT細胞増殖には機能的であるが、完全なレパトア形成には不十分であることが示された。 (3)正常WASP遺伝子を含むレトロウイルスベクターも作成しており、上記変異WASPが発現している患者細胞に正常WASPを同時に発現させた場合にシグナル伝達をドミナントネガティブに抑制しないかどうかを検討し、遺伝子治療の安全性を確認している。 2.WAS患者およびXLT患者の遺伝子診断については、患者及びその親権者に対して事前に十分な説明を行った上で、自由意思に基づく同意(インフォームドコンセント)を文書で得ている。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)