RNA干渉法(RNAi)を用いた脳腫瘍浸潤抑制のための標的分子同定
Project/Area Number |
15659341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80264282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 令江 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (80253722)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | グリオーマ / メタロプロテアーゼ / 細胞接着 / ADAM10 / ADAM17 / CD44 / RNAi / Rac |
Research Abstract |
悪性グリオーマ患者の予後は診断・治療技術の向上にもかかわらず依然として改善せず、その主たる原因は腫瘍細胞の増殖能と強い浸潤能にあると考えられる。特にグリオーマ細胞の浸潤能を制御する分子機構を明らかにすることができれば、悪性度を規定するためのマーカーとしてばかりでなく、治療の標的として用いることができる。各種メタロプロテアーゼを始めとするタンパク分解酵素、細胞膜上に発現されている接着分子、細胞骨格制御タンパクは癌細胞の浸潤や転移に密接に関与することが知られており、それらの分子の変化によってもたらされる細胞の形質変化の解析こそが、グリオーマを始めとする浸潤能の高い腫瘍の治療に寄与するものと考えられている。しかし、侵潤能の鍵となる分子の同定ならびにその分子発現を薬剤で抑制したときにどのような効果が得られるかについて予測することは、今までの実験技術では極めて困難であった。本研究はグリオーマの浸潤に関与すると考えられる各種メタロプロテアーゼを始めとするタンパク分解酵素、細胞膜上に発現されている接着分子、細胞骨格制御タンパク遺伝子をRNAi法によってノックダウンし、薬剤治療の標的となりうる分子を探索することを目的として行った。その結果、ADAM10及びADAM17という2つの膜型メタロプロテアーゼの発現をRNAiによって抑制することによってグリオーマ細胞のマトリクス内(特にヒアルロン酸)への浸潤を有意に阻害することができた。また、ADAM10は細胞内へのカルシウムの流入によって活性化し、ADAM17はプロテインキナーゼCとその下流で活性化する低分子Gタンパク質Racの働きで活性化することが分かり、CD44をはじめとする接着分子を膜状で切断し細胞のマトリクスへの着脱をコントロールすることにより細胞の浸潤に関与することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)