地域保健現場における睡眠生活指導が高齢者の心身の健康に与える効果の実証的研究

• Project/Area Number: 15680017
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Applied health science
• Research Institution: Hiroshima International University
• Principal Investigator: 田中 秀樹 広島国際大学, 人間環境学部, 助教授 (30294482)
• Project Period (FY): 2003 – 2005
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2005)
• Budget Amount: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000); Fiscal Year 2005: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000); Fiscal Year 2004: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000); Fiscal Year 2003: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
• Keywords: 睡眠 / 高齢者 / 地域保健 / 生活指導 / 昼寝 / 笑い / 運動 / 自己管理法 / 介入

Research Abstract

本研究では、ライフスタイル改善、認知変容の観点から、地域住民の睡眠、心身健康、脳機能を維持・増進する生活設計モデル・生活メニュ、援助法を開発・普及することを目的とした。研究協力の承諾が得られた高齢者23名対象に、笑い・ユーモアが、不安・ストレス緩和要因が睡眠健康に与える効果を中心に検討した。笑い・ユーモア態度測定をテストバッテリーを加え、指導は、短期集中型で、4週間の間、昼食後の短時間の昼寝と夕方の軽運動および睡眠健康教育、グループワークを週3回、全12回介入的に行った。指導に際し、睡眠、ユーモアに関する基礎知識と生活メニュに関する教材を作成し、睡眠健康教育に用いた。4週間の生活指導後、アクチグラフ(活動量計)、心電図、生化学データ等を用いて、行動的、生理的側面から効果を評価した。その結果、睡眠の質、脳機能、心身健康に有意な改善効果が確認できた。また、入眠困難性と交感神経活動の高まりの有意な関連が認められたが、認知変容が、不安・入眠および睡眠の質的改善に緩和的に作用することが判明し、ライフスタイル指導に加え、就床前の認知的対処メニューの必要性が示唆された。
さらに、本年度は、保健現場で実用化可能な介入・評価法、高齢者の睡眠維持・増進する生活設計モデル・メニュの普及を目的に、高齢者支援コンテンツ化し、パンプレット(認知症、転倒予防のための快眠術-短い昼寝と夕方の福寿体操のススメ)、および快眠生活設計のためのプログラムビデオ(きれいに歳をとる方法、快眠生活のススメ 上巻 解説編、下巻 実践編)を作成した。上記の成果は、介護予防教室の運営ツールとして、平成18年度介護保険制度改正に向けた出版物案内、介護パビリオン(介護保険改正特集号:東京法規出版)で、広く紹介された。また、睡眠改善指導者育成のために、日本睡眠改善協議会を快眠コンソーシアムと睡眠学識者とともに設立し、評議員、講師、試験委員として活動した。

Research Products

• [Journal Article] ストレス状況下での不安が睡眠変数に及ぼす影響とその順応過程-第1夜効果と不安との関連について- (2006)
  • Author(s): 古谷真樹, 田中秀樹, 石原金由他
  • Journal Title: 臨床神経生理学 34・1 Pages: 38-43
  • NAID: 10017327266
• [Journal Article] Heart rate variability under acute simulated microgravity during daytime waking state and sleep : Comparision of hirizontal and 6° head-down bed rest (2005)
  • Author(s): Koh Mizuno, Yuichi Inoue, Hideki Tanaka, Yoko Komada, Shuichiro Shirakawa ら
  • Journal Title: Neuroscience Letter 383 Pages: 115-120
• [Journal Article] 短い昼寝・笑い・夕方の軽運動が高齢者の睡眠,心身健康に与える効果〜日中の覚醒確保による快眠ミニ・デイサービスの提唱 (2005)
  • Author(s): 田中久江, 田中秀樹
  • Journal Title: 笑い学研究 12 Pages: 141-142
  • NAID: 110002696631
• [Journal Article] 睡眠健康確保からの脳・心身のヘルスアップと地域普及シンポジウム「高齢者のライフスタイルと脳・心身の健康」 (2005)
  • Author(s): 田中秀樹
  • Journal Title: 生理心理学と精神生理学 23・1 Pages: 4-5
• [Journal Article] 脳と心身のヘルスプロモーションとしての睡眠指導介入と自己管理法 (2004)
  • Author(s): 田中 秀樹
  • Journal Title: 診断と治療 第92巻・7号 Pages: 1219-1225
• [Journal Article] Sleep health, lifestyle and mental health in the Japanese elderly 〜Ensuring sleep to promote a healthy brain and mind (2004)
  • Author(s): Hideki Tanaka, Shuichiro Shirakawa
  • Journal Title: Journal of Psychosomatic Research 56巻・5号 Pages: 465-477
• [Journal Article] 地域における睡眠健康とその支援方法の探索的研究 (2004)
  • Author(s): 田中秀樹, 荒川雅志, 他7名
  • Journal Title: 臨床脳波 46巻・9号 Pages: 574-582
• [Journal Article] ストレッチング,レジスタンス運動を中心とした高齢者向け体操プログラムの開発とその評価 (2004)
  • Author(s): 荒川雅志, 田中秀樹, 他2名
  • Journal Title: 保健の科学 46巻・10号 Pages: 769-774
  • NAID: 40006454710
• [Journal Article] Relationship between Sleep Health and Psychological Distress in the Elderly (2004)
  • Author(s): Masashi Arakawa, Hideki Tanaka H 他2名
  • Journal Title: 医学と生物学 48巻・7号 Pages: 8-11
  • NAID: 40006336913
• [Book] 睡眠障害診断のコツと落とし穴(地域住民(中高年)における睡眠生活指導介入と自己管理法の普及-快眠ミニ・デイサービスを実践して-)(上島国利編) (2006)
  • Author(s): 田中秀樹
  • Total Pages: 219
• [Book] しっかりぐっすり、さわやか宣言!〜高齢期のための快眠読本〜 (2004)
  • Author(s): 田中秀樹(監修)
  • Total Pages: 6
  • Publisher: 東京法規出版
• [Publications] 田中秀樹: "睡眠関連疾患の予防意識の必要性"総合臨床. 52・11. 2894-2901 (2003)
• [Publications] 田中秀樹: "高齢者に快眠をもたらす健康教室、睡眠健康活動の提案"生活教育. 48・1. 39-48 (2004)