Budget Amount *help |
¥26,390,000 (Direct Cost: ¥20,300,000、Indirect Cost: ¥6,090,000)
Fiscal Year 2004: ¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2003: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Research Abstract |
シリコン/液滴(水溶液)界面のぬれ広がりは,印加電圧の大きさにによって2つに分類されることを明らかにした。ひとつは,1〜4Vで起こる電圧に依存した有限のぬれ広がりである.この電圧範囲で一定電圧を印加した場合に,液滴は電圧に依存した広さだけ広がり,静止する.他方,4V以上では一定の電圧であっても,ぬれは広がり続ける.この4Vを境としたぬれ広がりの違いはシリコン/液滴界面で起こる陽極酸化に関連することを示した.1Vまでの電圧で界面では数分子層の陽極酸化が起き,酸化シリコン膜が形成される,このとき水滴は広がらない.1〜4Vでは酸化膜は数十原子層程度に達するが,この厚さは電圧に依存する,このとき酸化膜がある程度の静電容量を有するために界面では電荷が蓄積される.この蓄積された電荷により界面張力の平衡状態が変化するために水滴が広がる.このようにして,1〜4Vでは電圧に依存したぬれ広がりが起こる.4V以上では電圧が一定であっても,酸化膜がある程度厚くなった段階で膜にき裂が断続的に発生,進展する.このき裂に液体が入り込むことで,陽極酸化はシリコン内部へと,また水滴円周から外方向へと進む.この断続的なき裂進展と陽極酸化の繰返しにより,一定電圧でも水滴は広がり続ける.陽極酸化膜は,逆電位を印加してもほとんど還元されないために,逆電位により界面のぬれ性が元に戻ることはない. 以上の電位に依存したぬれ方の違いとは別に,4Vまでで陽極酸化を飽和させた後に,4〜5Vの電圧を掃引(0.01V/s以下)すると,水滴円周から多数の微小液滴が分離し,放射状に移動する現象が観察された.微小液滴の移動後,元の液滴周囲のシリコン表面は疎水性を示した.この微小液滴の分離,移動の解明とマイクロアクチュエーションへの応用が今後の課題である.
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