Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
本年度は自己再生能力を持つ硬組織再生用材料に対し、昨年度設置の動物実験施設を利用し、その骨再生への有効性を確認するとともに、骨再生過程に対する結晶学的アプローチを試みた。例えば、BMPの徐放により長管骨(兎尺骨)欠損部を修復した場合には、適切な水分量と徐放量により骨欠損部の再生が可能であった。再生は大きく2段階に分類され、最初はBMP徐放に対し、3週間遅れての欠損部の組織充填・石灰化、次に負荷応力の大きさに応じた、リモデリングによる生体アパタイト(BAp)c軸配向性の上昇が定量的に解明された。特に、配向化には負荷応力のスレッシュホールド値が見出されたことから、骨細胞(オステオサイト)の応力センシング機能の重要性が示唆された。その結果、材料そのものの配向化とともに、再生初期過程でのアパタイトの配向化を促進するための技術開発の必要性が理解された。さらに、Ca代謝を抑制しつつ、応力を負荷することで、応力軸方向に沿った明確なc軸配向化の促進が可能であった。こうした一連の配向性制御技術、配向性材料作製技術さらには、配向性解析技術は、次世代の骨再生医療への重要な位置づけとなることを確信した。さらに、再生骨のアパタイト配向化技術は、生体内の骨系細胞の役割と密接な関わりを持っていることから、骨粗鬆症、大理石骨病といった疾患硬組織を用いた解析を行うことで、配向化に対する破骨細胞の役割についても解明することが可能となった。以上の結果より、自己修復能力を持つ配向性材料開発の重要性を証明するとともに、X線回折技術が、骨質診断のための重要な方法であることを証明した。
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Phosphorus Research Bulletin 17
Pages: 83-84
130004992500
Pages: 77-82
130004992499
日本結晶成長学会誌 31
Pages: 59-68
バイオレオロジー学会誌 18
Pages: 21-31
10012364363
まてりあ 41
Pages: 1032-1032
10014239037