歪み有り情報圧縮の高速符号化アルゴリズムの開発と理論解析
Project/Area Number |
15700141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Hiroshima City University (2004) Kobe City College of Technology (2003) |
Principal Investigator |
三村 和史 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (40353297)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 有歪圧縮 / 統計力学 / レプリカ法 / TAP法 / ビリーフプロパゲーション / 多層パーセプトロン / 経路積分法 / 連想記憶モデル / 歪み有り情報圧縮 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
Research Abstract |
有歪圧縮とは、データの復元が不完全である代わりに高い圧縮性能を実現することを目的とした情報圧縮である。許容する歪に対してどの程度まで情報が圧縮できるかという限界をレート歪特性といい、レート歪特性の限界は理論的に示されている。平成16年度の研究において、階層的ニューラルネットワークの一種である木構造3層パーセプトロンを用いた有歪圧縮方法を提案した。木構造3層パーセプトロンとして、中間素子の出力の積で出力素子の出力を決めるパリティマシンと、中間素子の出力の多数決で出力素子の出力を決めるコミティマシンについて性能評価を行なった。その結果、中間素子数が2以上のパリティマシンを用いた有歪圧縮方法は、理論限界を達成することが明らかにした。 理論限界を達成する有歪圧縮方法は申請者の発見したパリティマシンを用いた方法のほかに、非単調パーセプトロンを用いた方法や、疎行列を用いた方法など既に複数の方法が発見されている。これらは全て同じレート歪特性を持っているにもかかわらず、異なった符号化特性を持つ。この差異の原因を解明すれば、系統的な高速符号化法の開発に寄与できると期待されるため、符号化特性を系統的に調べることは極めて重要となる。パリティマシンによる有歪圧縮方法は、圧縮符号の分布をひとつのパラメータによって制御可能である。これは、非単調パーセプトロンを用いた方法と、疎行列を用いた方法の持つ特徴と同様の特徴を特殊な場合として含む方法となっている。このため、圧縮符号の分布に対する符号化特性の影響を系統的に調べることが申請者の提案によって可能となった。また、符号化特性の解析で重要となる経路積分法の適用についても研究を行い、経路積分法によって系の定常状態を得る理論的方法を開発した。圧縮符号の分布やコスト関数を通じた有歪圧縮の幾何学的な理解や、より高効率な符号化法の開発などが今後の課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)