Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
サーカディアンリズムの同調現象の発生には,シナプス結合(化学的・電気的結合),タンパク質のやり取りによる結合や,カルシウムスパイクによる結合など,様々な結合機構の存在が指摘されている.本研究では,まずシナプス結合だけによるニューロンの結合モデルを構築する.加えて,各々のニューロンには,周期の異る周期信号を印加する.ただし,周期信号に関しては,以下の状況を踏まえて考える必要がある. 光の明滅に同調するSCNニューロンのサーカディアン周期は,約一日周期である.一方,ニューロンのリズム応答周期は[μsec]オーダーであり,両者には,非常に大きな差がある.一日周期の様な長い周期をもった周期信号は,ニューロンのダイナミクスに直接影響を与えるとは考えにくい.したがって,このような長い周期をもった入力信号は,ニューロンへの刺激電流が,ゆっくりと周期的にパラメータ変化すると考えることができる. 解析の基本的な戦略として,ニューロンのシナプス結合系にそれぞれ独立の直流電流刺激が入力されたシステムを考え,1)各々のニューロンに印加される直流電流刺激が変化する時の分岐解析を行う.2)これらの直流刺激が周期的にゆっくりと変化することを考え,分岐解析の結果から,サーカディアンリズムの同調の発生メカニズムを調べた.この結果,系に印加する正弦波外力のうち,遅い外力側へのリズム同期を確認した.この発生メカニズムを分岐の面から説明できることを示した.本研究成果は電子情報通信学会論文誌に掲載予定である.一方,複数個のニューロンが結合した場合に,系のリズム同期応答が,異なる正弦波外力の平均周波数に同調するかなどは,今後の課題として残っている.
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