ヒト脊髄運動ニューロンに自律的活動モードは存在するか?
Project/Area Number |
15700267
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
|
Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
野崎 大地 国立身体障害者リハビリテーションセンター(研究所), 運動機能系障害研究部, 研究員 (70360683)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 脊髄運動ニューロン / プラトー電位 / 機能的MRI / 電気刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / H反射 / 一次運動野 |
Research Abstract |
目的:ヒトの脛骨神経に50Hz、2秒間の連続電気刺激を加えると、刺激停止後も持続するヒラメ筋の筋活動を誘発できる。我々は、この筋活動が脊髄運動ニューロンの自律的活動によって維持されているのではないかと推測している。もし、そうだとすれば、この筋活動中の一次運動野を中心とした脳運動関連領域の活動度は、通常の随意的筋活動中に比べて低いはずである。この仮説を機能的MRI(fMRI)を用いて検討した。 方法:安静30秒-電気刺激によって誘発された筋活動(以下PP)30秒-安静30秒-随意的筋活動(以下VOL)30秒のタスクを各被験者(4名)につ7セット(15分間)×3ラウンド実施した。PP時およびVOL時の脳活動部位を、自然科学機構生理学研究所のfMRI(Allegra, Siemens)を用いて測定した(TR=3秒)。脳賦活部位の同定にはSPM99を用いた。右脚のヒラメ筋、腓腹筋外側頭、腓腹筋内側頭、前脛骨筋より筋電図を導出した。筋電図の導出にはfMRI内での測定用に特別に開発されたスリット皿電極(NE-706A,日本光電)を用いた。導出した筋電図は全波整流後、PP、VOLそれぞれの条件下での平均振幅を計算し、両条件で筋活動レベルが同じであることを確かめた。 結果および考察:VOL条件では、足部の筋を支配する一次運動野に有意な活動(uncorrected P<0.001)が認められたが、PP条件では認められなかった。また、VOL条件とPP条件での一次運動野の活動を比べると、VOL条件で有意に大きい(uncorrected P<0.001)ことが明らかになった。両条件での筋活動レベルには有意差は無かった。逆にPP条件で有意にVOL条件より活動レベルが高い脳運動関連領域は観察されなかった。これらの結果は、PP条件で生じた筋活動(主にヒラメ筋)を産み出す脊髄運動ニューロンの持続的活動が、脳からの下行性指令ではなく、脊髄レベルで生じていることを示唆する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)