Project/Area Number |
15700491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
久保 和弘 健康栄養研究所, 研究員 (40360705)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ホスファチジルエタノールアミン / 過酸化脂質 / ドコサヘキサエン酸 / エリタデニン / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取による、ホスファチジルエタノールアミン(PE)の増加を介した生体の抗酸化能の増強、DHAを酸化から守るためのPEの抗酸化能発現、またPEの抗酸化能をより増強させる食品成分、さらにそのメカニズムについて、in vivoおよびin vitroの系を用いて解明することである。 平成15年度の研究計画に基づき、DHA摂取に伴う組織過酸化脂質の生成と組織のPE量の変化との関連について検討した。シイタケの成分であるエリタデニンはS-アデノシルホモシステイン水解酵素を阻害し、組織のPE/ホスファチジルコリン(PC)比を増加させることが報告されていることから、ラットに高純度のDHAを摂取させると共に、エリタデニンを投与して生体膜中のPEを増加させることを試みた。その後、組織過酸化脂質の生成について検討したところ、初期の脂質過酸化反応を反映するリン脂質由来のパーオキシド(PC-OOH、PE-OOH)にはほとんど変化が認められなかったが、過酸化反応の総合的な指標であるThiobarbituric acid reactive substances (TBARS)が、エリタデニン投与群の腎臓で減少していたことから、PEの増加を介した抗酸化能の増強が示唆された。一方、肝臓では逆に、エリタデニン投与によってTBARS及び遊離型の反応性アルデヒドであるマロンジアルデヒド(MDA)と4-hydroxy-2-alkenal (4-HAE)が増加した。そこで、肝臓の病理学的検査を行ったところ、エリタデニン投与群で著しい脂肪肝を呈していたことが分かった。肝臓において生成した傷害性アルデヒド等の細胞外排出を担うと予測されるMultidrug Resistance Proteins (MRPs)の発現について解析を行ったところ、エリタデニン投与群の肝臓でMRP1タンパク質の顕著な増加が観察された。 これらの結果から、DHA酸摂取時の組織過酸化脂質生成はPEを介し抗酸化能を増強する可能性が腎臓において示唆された。しかし、肝臓では逆にエリタデニン投与によって脂肪肝を呈すると共に過酸化脂質生成が亢進したことから、今後の課題として脂肪肝を呈さない条件で再検討する必要があると考えられた。その他の測定項目も含めて引き続き検討中である。
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