宗教的説話集『ハラ・チャリタ・チンターマニ』成立の背景-所収説話の原拠を求めて-
Project/Area Number |
15720079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Literatures/Literary theories in other countries and areas
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 麻穂 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (30342679)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Haracaritacintamani / Brhatkatha / Jayadratha |
Research Abstract |
本研究は、13世紀にカシミールで作成された宗教的説話集『ハラ・チャリタ・チンターマニ(シヴァ神の諸行の如意珠)』(Haracaritacintamani,HCC)の成立の背景を、所収説話の並行話との比較によって、解明することにある。そこで、HCC全32話を内容別に(a)シヴァ神に関連する物語:25話、(b)女神に関連する物語:6話、(c)その他:1話(未完のため分類不能)に分類し、このうち女神が重要な役割を果たす物語に着目して、参照資料のひとつと考えられるインド古代説話集Brhatkatha(BK)の諸伝本との相関関係を中心に研究を進めた。 本年度は、上記(b)の6話のうち、BK伝本とパラレルの物語であるHCC25とHCC26を精読し、他文献(Avadanakalpalata,Brhatkathamanjari,Kathasaritsagara,Hitopadesaなど)との比較分析を行った。また、精読に際しては、資料調査によって入手しえた写本を随時参照し、問題のある箇所については校訂を行った。その結果、HCCはKathasaritsagaraと最も近い関係にあることが確認された。 また、「Brhatkathaの伝承-カシミールの二詩人はどのように伝えたか?-」(平成17年7月)という題目で、本研究の発展的論考として、HCCの典拠の一つとして用いられていたカシミール伝本のBKがシヴァ信仰を反映する説話集としてどのように形成されたのか、その問題点を指摘する発表を行った。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)