「版本狂言記」を主軸に据えた狂言詞章の分析と近世期口語の再構築
Project/Area Number |
15720107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese linguistics
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Research Institution | Junshin Junior College |
Principal Investigator |
荻野 千砂子 純真女子短期大学, 国文科, 講師 (40331897)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 版本狂言記 / 狂言 / 授受動詞 / クダサル / タマワル(タモル) / テ形 / テクダサル / 依頼表現 / 狂言本 / 狂言詞章 / 保教本 / お礼のことば / かたじけない / ありがたい / 指示詞 / アナタ・ドナタ / 人称詞 / ドウ / 疑問 / 不定 |
Research Abstract |
今年度第一の目標は、近代語授受動詞体系の成立に関して、近世前期に如何様な変化があったかを考察することであった。近世前期の「版本狂言記」には授受動詞クダサルが多数見られるが、同じ狂言資料でも「版本狂言記」より少し時代が古い大蔵流や和泉流の狂言台本にはクダサルとタマワル(タモル)が半々の割合で使用されていることに注目した。クダサルは室町末期から近世前期にかけて急激に発達したものと思われる。もともとクダサルは平安期から使用されているが、主に古文書での使用であり和文体には見られないという特徴がある。また意味用法も異なり、「院が院宣をクダサレタ」のように「お与えになる」と解釈できる。これが現在のクダサルになった理由としては、~テクダサレというテ形が室町末期から依頼表現を発達させ、「私に~をしてください」という意味で多用され、その結果、動作主は相手、受け手は自分という人称制約が生じたのではないかと考えた。テ形が先に文法化を起こしたのではないかという仮説は、最近話題の文法化と一見逆行するかのように思われるが、本動詞と補助動詞が併存した場合、先に補助動詞が形式化し文法化する可能性は大きいのではないかと考える。以上の研究を、研究会では平成17年8月5日(大分県九州国立大学九重共同研修所)第203回筑紫国語学談話会にて「テクダサルの用法-クダサルとの対比-」と題し発表を行った。また、平成17年11月11日第229回近代語研究会秋季発表大会(仙台市戦災復興記念館)では「狂言資料を中心にみたクダサルについて」(全国大会)と題し、口頭発表を行った。上記の課題に題し、論文を二本執筆した(一本は現在印刷中)。しかし、クダサルとクレルとの関係や、ヤル、モラウとの関係など、研究すべき課題は残ったままである。また、当初計画していた指示詞に関しての研究や、鷺流『保教本』の翻刻は途中のまま本年度は終了した。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)