Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本年度は,平成15〜16年度に収集・整理し得たウイグル語社会経済文書資料の分析に基づく歴史学的研究を展開した。 まず,ウイグル語社会経済文書のなかでも最も研究が蓄積されている契約文書類について,これまで未発表の新発現文書を紹介・校訂するとともに,歴史的背景としての税役賦課慣行をも考慮しつつ,従来の研究で不明とされてきた術語・文脈の内容理解を改善した。 また,契約文書を中心にウイグル語社会経済文書から税役制度関係文書を抽出し,それらをモンゴル語の免税特許状類と比較検討することで,西ウイグル時代(10〜12世紀)からモンゴル時代(13〜14世紀)のトゥルファン地域=中央アジアにおける各種の税役の運用実態を検証するとともに,税役制度体系の再構成を試みた。その結果,西ウイグル時代・モンゴル時代を通じて,当該地域の税役制度は,(1)農産物で徴収される租税,(2)布帛(あるいはその他の通貨代替物)で徴収される付加税,(3)徭役労働,に大きく3分類できるという税役の体系を示した。この研究成果は英文で論文化しており,国際的水準からの反応が期待できる。これに関連して,ウイグル語契約文書類からほぼ確実に西ウイグル時代(10〜12世紀)に年代比定され,かつ社会経済史的に重要な情報を含むものを抽出してテキスト校訂作業を行なった。 なお,本科研を通じて情報を収集・整理し得たウイグル語社会経済文書については,総合カタログの編集を企図していたが,同様のカタログ化が各国の研究機関でも計画されていることが判明したため,国際的学術研究マナーの観点から本科研の報告書においてカタログ情報を提供することは見送った。
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