Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は、アメリカ合衆国の南北戦争・再建期の黒人による自由の希求を探るために、黒人、南部白人、北部白人の相関関係を多角的に分析し、地域レベルで行われた再建の解明を試みることである。具体的には、サウスカロライナ州ロウカントリー地域にあるシーアイランド諸島(ビュフォート郡)を事例として、人種・ジェンダー・階級の視点を取り入れ、より総合的な研究を目指すものである。本年度は本研究の二年目にあたり、昨年度に引き続き基本的史料の調査収集とそれらの精読・分析を中心に研究を行った。今年度の前半は、主にジェンダー関係の文献の精読に時間をかけ、再建政策をジェンダーの視点から読み直す作業を行った。12月から1月にかけては約3週間にわたり、現地で資料収集を行った。特に、サウスカロライナ大学とビュフォート公立図書館では、再建当時について地域の白人にインタビューした資料を、サウスカロライナ州立公文書館では1860年から1880年の国勢調査に関する資料を調査収集することができた。現在は、これらの入手した資料の精読および統計の整理を行っているが、人種観・ジェンダー観・階級観を黒人、南部白人、北部白人のそれぞれのグループに分けて細かく分析をした上で、再建の全体像を捉えることが来年度の課題である。また、2004年7月に開催された京都アメリカ研究夏季セミナーにおいて、南北戦争・再建期の権威であるアイラ・バーリン氏の基調講演に対してリスポンスをした口頭発表にも、本研究の研究成果を盛り込むことができた。
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Proceedings of the Kyoto American Studies Seminar, July 29-July 31,2004
Pages: 83-89
110004670164