Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は、以下の点から、EU統合過程における各種の法接近の手法の比較分析を行った。第1に、国際裁判管轄および外国判決の承認執行に関するブリュッセル条約について、同条約の外国判決承認要件である公序要件の機能が、欧州人権条約6条1項でも規定されている、基本的人権としての公正な裁判を受ける権利との関係で解釈されることで、消極的に安全弁として作用するという伝統的な側面のみならず、積極的に欧州レベルでの手続保障の調和を求めるという面が生じているのではないかという点を検討した。この関係で、トランスセクシャルの婚姻する権利とEU法との関係についての欧州司法裁判所の判決も検討した。第2に、付随的に、国際私法といわゆる公法の直接適用との関係を検討した。その際、ブリュッセル条約の適用範囲を画定する「民事事件」の概念についての裁判例も参考としながら、両者の役割分担について考察した。以上の検討を、研究発表欄記載の論文として公表した。なお、昨年度に登録パートナーシップとの関係で検討した相互承認原則について、EU法におけるこの原則の広がりをふまえて、国際私法の観点からの検討も加えて、その位置づけを探ることは、残された課題である。
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ジュリスト 1292号
Pages: 25-34
現代民事司法の諸相(徳田和幸ほか編)(成文堂)
Pages: 697-720
貿易と関税 2005年7月号
Pages: 75-70
ジュリスト 1302号
Pages: 172-175
法学論叢 156巻3・4号
Pages: 293-335
貿易と関税 2004年12月号
Pages: 72-67