Project/Area Number |
15730125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied economics
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
熊倉 正修 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 助教授 (20347503)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2003: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
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Keywords | 最適通貨圏 / 自由貿易地域 / 円ドルレート / 人民元 / 電子産業 / シリコンサイクル / アジア金融危機 / 貿易競合度 / 産業内貿易 / アジア通貨危機 / 事実上のドル・ペッグ / 対外開放度 |
Research Abstract |
多くの東アジア諸国経済の電子機器産業への依存度が高まっていること、域内において電子部品・半製品の貿易が著しく増加していることは広く知られているものの、それが各国の輸出パフォーマンスや貿易収支、景気変動に与える影響は十分に検証されていない。アジアにおける電子機器産業ネットワークの広がりは域内経済の実質的統合の証左と見なされることが多いが、電子機器産業は半導体需給サイクルなどに起因する一種の景気循環が存在し、それが多くの国々の輸出や景気動向に大きな影響を与えている。平成17年度中に発表した論文ではこの点を計量的に実証し、それが域内通貨同盟の是非や中国と他のアジア諸国の輸出の競合関係をめぐる議論に対して持つ含意を検証した。 まず、一部のアジア諸国においては国際電子製品市場の景気循環が国内経済に与える影響が甚大であり、その影響を吸収できる為替相場制度を選択することが望ましい。一般的な通念とは異なり、多くのアジア諸国においてはこれまでも電子産業の不況期には自国通賀安誘導(ないし切り下げ)で対応しており、域内共通通貨や厳格な固定為替相場制度の導入は現実的とは思われない。また、一部の既存研究において円ドルレートの変動がアジア諸国の景気循環の原因であると主張されているものの、電子産業の循環性を考慮するとその影響が極めて軽微であることも示された。 また、日本と中国、他のアジア諸国の間で電子部品や半製品の貿易が急増しており、かつ電子製品市揚の循環性がこれらの国々の輸出変動の重要な決定要困になっているため、中国と他の国々の輸出競合度を計測する際にはその影響を明示的にコントロールする必要がある。一部の既存文献においては中国とアセアン諸国の輸出の競合度が必ずしも高くないと主張されているものの、それが正確な認識でないこと、それが中国の輸出増加が所得増加を通じて輸入を喚起する効果を考慮しても変わらないことが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)