日米コンピュータ産業の競争力逆転のダイナミズムにかんする史的研究
Project/Area Number |
15730195
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宇田 理 日本大学, 商学部, 講師 (80298132)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 競争史 / コンピュータ産業 / 組織能力 / コンピュータ史 / 変化の瞬間 / 競争プロセス / 比較経営史 |
Research Abstract |
報告者の研究視座である「競争史」、つまり、企業の競争優位は、各個別企業単体の競争優位性によるよりもむしろ、競合企業との市場での競争プロセスのダイナミズムのなかで決まっていくという点に関して、平成16年度は以下の諸点の調査・分析に取り組み、部分的に成果を得た。 1.1950年代後半から1960年代にかけてIBMとの競争で敗退していった企業の歴史を記述した。とりわけ、GE(ジェネラル・エレクトリック)社の敗退原因を探った。ただし、これまでの研究に見られるように1970年に同社がコンピュータ産業から撤退する時点からの遡及的分析ではなく、GEがコンピュータ事業部を設立するまでの前史を注視することにより、コンピュータ産業参入段階で、すでに競争力の源泉たる組織能力に一定の負債を抱えていることを論文のなかで明らかにした。そのなかで、市場シェアという「競争の結果」ではなく、競争空間(企業間のダブル・コンティンジェンシーのフェイズ)のなかでの組織能力がいかに生成されるのかという「競争プロセス」の視点の重要性を改めて確認した。 2.競争力逆転のメカニズムに関して、技術の性格をふまえた事例分析を行い、記述した。このなかで、コンピュータ産業だけにとどまらず、電灯産業、鉄鋼産業などの事例も見た。また、この分析は一般理論構築を目指したものではなく、技術の「変化の瞬間」を捉える個別事例研究にこだわった。なぜなら、技術、あるいは、技術アーキテクチャの変化を捉えるには、各産業のおかれているコンテクストが違いすぎるからである。とはいえ、個別事例研究だけに特化すると普遍性に欠けるとの指摘もあるが、まさに技術が競争空間の中でどのように選択され、選択された技術がどのように企業の競争力に効き、また、企業間の競争力逆転に影響を与えたのかのプロセスを記述するには、これ以外の説得的な方法がないのも事実である。そのため、かかるアプローチに関する序説的な考察として論文にまとめた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)