Project/Area Number |
15730293
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 伸子 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (40293188)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 認知発達 / 特性の起源 / 特性の変容可能性 / 文化の影響 / 身体特性 / 心理特性 |
Research Abstract |
望ましいあるいは望ましくない身体特性・心理特性の起源についての信念を日米で比較した。日米の5-6歳児、8-10歳児、大学生の3年齢群を対象に、望ましい特性あるいは望ましくない特性を持つ子どもの話を聞かせる。その後、その人物がその特性を示すのは、「努力をしたから(しなかったから)」、「生まれつき」、「他者からの教えがあったから(なかったから)」、「まだ充分に成熟していないから」(望ましくない特性の場合のみ)のうちどれがあてはまるかを質問した。さらに、望ましい特性の維持や望ましくない特性の修正を可能にする介入として、「努力」「他者からの教え」「成熟」「医療的介入」のうちどれが当てはまるかを質問した。次の16個の特性について調べた。(1)望ましい特性:小指がある・背が高い・視力が良い・運動が得意(身体特性)・優しい・賢い・きれい好き・社交的(心理特性)(2)望ましくない特性:小指がない・背が低い・視力が悪い・運動が苦手(身体特性)・意地悪・賢くないこと・だらしない・はずかしがり、(心理特性)。子どもに対しては個人面接調査を行い、選択肢の提示時に図版も提示した。大学生に対しては話と課題を冊子にして配布し集団調査を行った。その結果、全体として、幼児や小学生は「努力」を特性の起源と考える傾向が強いのに対し、大学生は「生まれつき」や「他者からの教えがあったから(なかったから)」と考える傾向が強いことが示された。幼児では望ましくない特性については「まだ充分に成熟していないから」と考える傾向が比較的高いのも特徴的であった。さらに、日本人はアメリカ人と比較すると、身体特性の起源や変化原因として「努力」を強調する傾向があることが示された。このように日米の違いは心理特性にではなく、身体特性についての考え方にある。アメリカ人と違い身体特性の起源も心理特性と同じように努力によると考える傾向が強い。また、日本の5-6歳児を除いて、すべてのグループにおいて望ましくない心理特性と身体特性の起源を区別していた。望ましくない心理特性の原因として努力や他者からの教えの欠如を、望ましくない身体特性の原因としては「生まれつき」を考える傾向が示された。特性の維持や修正のための介入についての質問の結果は、特性の起源についての研究結果と一貫したものであった。
|