未刊行資料に基づく1820年代F.フレーベル教授・カリキュラム論の解明
Project/Area Number |
15730368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
松村 尚子 美作大学, 講師 (50341136)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | F.フレーベル / 教授 / 未刊行資料 / 植物学 / 観察 / 自然誌 / 球体法則観 / 教授法 / 民衆陶冶 / C.L.ノンネ / ルター派 / チューリンゲン / フレーベル |
Research Abstract |
F.フレーベルの未刊行資料のうち、ドイツ陶冶史図書館所蔵のベルリン遺稿(手紙、日記および基礎教授構想)、特に1828年に書かれた「植物学」構想(BN Sig.)から、彼がその当時としては先端的な科学に基づく教授内容およびその配列を構想しようとしていたことが明らかになった。彼の教授論は、主に情動ないしは情緒面、(科学としての)知識、(情動と知識を関連づける要素を重視した)言語という3つの領域から構成される。各領域とも、カリキュラムとしては「観察」(Betrachtung)を端緒として各領域の構造を把握するという方法論を採る。その点では、個々の《教える》-《学ぶ》行為を考察する方法論としてではなく、そうした行為の積み重ねによる連続性・連関やその行為全てによって構成される現実全体をどのように提示しうるかがフレーベルにあっては主要な論点であった。科学的な領域の指導計画である「植物学」構想は観察を端緒とする認識論を基盤として成立したと思われる。その点では、むしろ人間の能動性と創造性を強調する傾向性によって科学的な態度を取り、その結果人間の諸能力に関する語彙をよりいっそう増大させていったフレーベルの営為が読み取れよう。フレーベル自身、自然物を詳細にスケッチしてから教授構造を深化させているように、「植物学」は観察、スケッチそしてさまざまな分類作業を一連の学習とするものである。この方法は、博物学あるしは自然誌(Naturgeschichte)の方法と同一である。また、様々な分類においても、我々の世界の全てのものは球体として承認され、球体状(ないしは円環状)に呈示可能であるというフレーベルの主張(いわゆる球体法則観)をここでも看取することができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)